「全国高校サッカー選手権・準決勝、前橋育英3-1東福岡」(11日、国立競技場) 準決勝2試合が行われ、前橋育英(群馬)と流通経大柏(千葉)が決勝(13日午後2時5分・国立競技場)に勝ち上がった。前橋育英が初優勝した第96回大会決勝と同じ顔…

 「全国高校サッカー選手権・準決勝、前橋育英3-1東福岡」(11日、国立競技場)

 準決勝2試合が行われ、前橋育英(群馬)と流通経大柏(千葉)が決勝(13日午後2時5分・国立競技場)に勝ち上がった。前橋育英が初優勝した第96回大会決勝と同じ顔合わせで、ともに2度目の頂点に挑む。7大会ぶりの制覇を目指す前橋育英は、0-1の後半に佐藤の2得点などで試合をひっくり返し、準々決勝まで無失点の堅守を誇っていた東福岡を3-1で破った。17大会ぶりの頂点を狙う流通経大柏は初出場の東海大相模(神奈川)を1-0で退けた。

 難攻不落の“赤い要塞(ようさい)”を攻略した。一瞬の隙を見逃さず、後半の集中攻撃でわずか10分間に3得点を奪う逆転劇。2得点で勝利に導いたFW佐藤耕太(3年)は「ここ数試合結果を残せていなかった中、点を取って勝たせられて本当によかった」と喜んだ。

 個の力でゴールをこじ開けた。後半3分、クリアしようとした相手DFに佐藤が猛チャージ。「キックモーションに時間がかかると感覚的に分かっていた」と、狙い通りにボールを奪うと左サイドからゴール前に進入し、最後は2人に囲まれながらも左足で押し込んだ。今大会無失点だった東福岡から値千金の同点弾。前半はチームのシュート数が0だった展開だけに、山田耕介監督(65)も「ビッグチャンスを決めてくれた」とたたえた。

 佐藤にとっても大きい1点だった。1回戦で得点して以降、3試合連続無得点。その間、2トップの相棒・FWオノノジュ慶吏(ケリー)=3年=が3得点の大活躍だった。「うれしい半面、どこか悔しい気持ちもあった」と歯がゆい思いがあったという。それでも、国立競技場での初勝利もかかった準決勝の大一番で、同点&勝ち越し弾と確かな存在感を示した。

 昨年の高円宮杯U-18プレミアリーグでも、2人は得点王を争い切磋琢磨(せっさたくま)してきた。同大会では10点で得点王に輝いたオノノジュに1点届かなかったが、「刺激になります」とライバルの存在は大きい。今大会でも3得点で、同4得点のオノノジュとともに得点王が視界に入る。「2人で(得点王を)一緒に取れれば」と佐藤。頼れるWエースが、チームを7大会ぶりの優勝に導く。