阪神・中野拓夢内野手(28)が11日、愛知県岡崎市の岡崎レッドダイヤモンドスタジアムで自主トレを公開し、自身最大のテーマとなっている打率向上のため、打撃改革に取り組んでいることを明かした。さらには、2月のキャンプで予定されている赤星憲広臨…
阪神・中野拓夢内野手(28)が11日、愛知県岡崎市の岡崎レッドダイヤモンドスタジアムで自主トレを公開し、自身最大のテーマとなっている打率向上のため、打撃改革に取り組んでいることを明かした。さらには、2月のキャンプで予定されている赤星憲広臨時コーチからの指導を心待ちにし、V字回復での3割、30盗塁をシーズン目標に掲げた。
真っ青な空の下、中野はリラックスした表情で体を動かした。ただ、練習後には、今季にかける並々ならぬ覚悟を口にした。
「昨年は自分にとってすごく悔しい、情けないシーズンだった。何としてもやり返す気持ちを持って、自主トレからいい形で動けていると思う」
最多安打のタイトルを獲得し、リーグ優勝、日本一に大きく貢献した23年から、昨季は大きく成績を落とした。キャリアワーストの打率・232に終わり、今オフの最重要課題は打撃となった。
まず取り組んだのがフォームの見直しだ。昨年までより、グリップの位置を下げる構えに変更。「高く構えて落とす感覚だったけど、そこの手間を省いて、下がった位置からスムーズにバットを出す」。無駄な動きを減らし、23年のようなコンパクト打撃を取り戻す。
昨季はスイング、打球スピードを求め、上半身を強化。ただ、その結果、下半身との連動性を失い、体が開きやすくなっていた。反省を元に新フォームを体に染み込ませるため、練習量も増やした。昨年までは1日2箱(1箱約120球)を打つのが通常だったが、今年は「3箱以上毎日打っている。初日は気合が入りすぎて」と5箱を打ち込む日も。手の皮はめくれ、まめもできていた。
改革を経て、目指すは自身初の打率3割。「(3割打者は)すごく貴重だと思うし、簡単でないのは分かっているけど、その数字にチャレンジすることが大事」と意気込んだ。
自らの大きな武器をもう一度生かしたい。ルーキーイヤーには30盗塁を記録し盗塁王に輝くも、その後は年々減少。昨季はわずか6個に終わった。そこで来月のキャンプで赤星臨時コーチに助言を求める考えだ。
「スタートを切る勇気というか、アウトになってしまったらとマイナスなことを考えてしまう」。技術面よりも、精神的な部分が要因と自己分析。「スタートを切れるメンタルの持ちようを聞ければ」と質問内容は明確だ。「1年目の30個は自分でも超えたい数字。どんどんチャレンジしていきたい」と力を込めた。
社会人時代を過ごした岡崎での鍛錬は「すごく充実した日々を送れている」と順調な様子。今季は背番号51が、縦横無尽にダイヤモンドを駆け回る。