「全国都道府県対抗女子駅伝」(12日、たけびしスタジアム京都発着) 発走前日の11日に監督会議と開会式が行われた。オーダーリストも発表され、1500メートル、5000メートルなどの日本記録保持者で東京&パリの2大会連続五輪代表の田中希実(…
「全国都道府県対抗女子駅伝」(12日、たけびしスタジアム京都発着)
発走前日の11日に監督会議と開会式が行われた。オーダーリストも発表され、1500メートル、5000メートルなどの日本記録保持者で東京&パリの2大会連続五輪代表の田中希実(25)=ニューバランス=は兵庫9区に配置された。
日本女子中長距離界のエースが、今年も兵庫を引っ張る。昨年は2区に配置され、ドルーリー朱瑛里が出走した激戦区で19人のごぼう抜きの大活躍だったが、今年は最終9区のアンカーに抜てきされた。
1000~5000メートルを主戦場とする田中にとって、9区の10キロは「準備はしてきているけど、実際に(レースで)走る経験自体が初めて」という未知数の距離。普段のスピードを生かす走りを発揮できるかという部分に課題を感じながらも、阪神・淡路大震災30年の節目の年にアンカーの大役を任され「兵庫の一人一人が頑張っている中で、その一部になれることが光栄。その思いを持って走りたい」と力を込めた。
兵庫県チームは阪神・淡路大震災30年事業で作られたワッペンをユニホームの右胸に付けて走る。出場選手は全員29歳以下で当時の震災を直接経験したことはない。田中は「生まれる前のできごとで、いくら言葉を尽くしても実際に体験された方の気持ちには及ばない。だからこそ自分にできることは走ることしかできないと思うんですけど、その中で一生懸命生きている姿を見て頂けたらなと思いますし、この30年の中でもいろんな震災があった。そういった日本各地でいろんな思いをされている方に何か届けたい」と走りに思いを込める。