大橋ジムは11日、ボクシング世界スーパーバンタム級4団体統一王者の井上尚弥が24日に有明アリーナで行う防衛戦の対戦相手を、WBO同級11位のキム・イェジェン(韓国)に変更したと発表した。本来は昨年12月24日にサム・グッドマン(オーストラ…

 大橋ジムは11日、ボクシング世界スーパーバンタム級4団体統一王者の井上尚弥が24日に有明アリーナで行う防衛戦の対戦相手を、WBO同級11位のキム・イェジェン(韓国)に変更したと発表した。本来は昨年12月24日にサム・グッドマン(オーストラリア)の挑戦を受ける予定だったが、来日直前に左目の上を負傷。試合が1カ月延期され1月24日に実施されることになったが、この日、グッドマンが再び左目上を負傷したため試合を中止し、対戦相手が変更された。

 横浜市内で会見した大橋秀行会長(59)はこの日早朝にグッドマン陣営から連絡があったと明かした。今回はあらかじめリザーブを用意していたため、連絡から30分ほどで中止を即断したといい、「想定内。こういうこともあるかと」。グッドマンは最後のマススパーリングで再び目の上をカット。傷は前回より3倍ほど大きく、全治まで半年ほどを要するという。

 前回も試合10日前の負傷だったが、グッドマン陣営から40日あれば回復するという要望があったことで、ちょうど1カ月後の延期が決まっていた。しかし、今回またも試合13日前になって同じ箇所を再負傷し、2回連続のドタキャンとなれば異例中の異例といえる。大橋会長は「小学生からボクシングを見ていて、50年くらいだけど、こんなことは初めての体験。試合が1カ月延びて、これも初めてだし、そこからまた相手が代わるっていうのも(経験が)ない」と衝撃を受けた様子。すぐに連絡した尚弥も面食らっていたといい「さすがに今回はビックリしていた。『えっ!』って」と様子を伝えた。

 ただ、大橋会長は「やっぱり試合に勝つためには強くなるかケガするかギリギリの戦いなので、グッドマンも今回本当に勝ちに来て、最後にケガしてしまったと思うので」と一定の理解を示し、「全治半年ということなんで、きっちり傷を治して、(指名試合など)また機会があれば戦えれば」と大人のコメント。「自分にとっても井上にとっても、初のキャリアを積むと前向きに考える。こんな経験はできないですから」とポジティブに捉えた。