ダカールラリー2025は1月9日、アルウラ~ハイル間に設定されたステージ5(428km)の走行が行われた。マラソンステージとしての設定のため、クルーは前夜にサービスの整備を受けることができず、自力でメンテナスを行ってこの日をスタートした。 …

ダカールラリー2025は1月9日、アルウラ~ハイル間に設定されたステージ5(428km)の走行が行われた。マラソンステージとしての設定のため、クルーは前夜にサービスの整備を受けることができず、自力でメンテナスを行ってこの日をスタートした。

前日は厳しい内容になったナッサー・アル‐アティヤ(ダチア・サンドライダー)だったが、この日は、首位に立つTGR南アフリカのヘンク・ラテガン(トヨタGRダカール・ハイラックスEVO)を猛追。サンディな道を疾走して、その差を35分にまで詰めたが、パンクしたタイヤを残したことによる10分のタイムペナルティがなければ、さらにその差は詰まっていたことになる。









「昨日はかなりタイムをロスしたが、今日は強い走りができた。来週もタフな一週間になるので、優勝争いに残れるようベストを尽くす」とアル‐アティヤは6度目のダカール制覇に向けて意欲を見せた。

Mスポーツ・フォードのマティアス・エクストローム(フォード・ラプター)は、ここまでの7日間でステディな展開を見せ総合3番手につけており、大会後半ではペースアップも期待される。

「今回、ここまででベストの一日だったと思う。ある山を違う方から抜けてしまったので、Uターンしたことで何分かロスしたと思う」とエクストロームは手応えを見せている。また、チームメイトのミッチ・ガスリーJr.も総合6番手につけている。

TGR勢も、ルーカス・モラエスとセス・キンテロがそれぞれ5番手、9番手とソロってトップ10圏内につけている。22歳のキンテロはこの日はステージウインを飾り、ダカール史上、複数のステージウインをマークした最年少記録をマークした。

「昨日は3回のパンクがあり1時間以上ロスしたので、今日はとにかく攻めるしかないと思った。自分たちにとっては本当にラフなマラソンステージになったが、デイ2はデイ1よりもいい内容になった」とキンテロ。

一方、2輪と4輪の両方でダカール優勝経験のあるMスポーツ・フォードのナニ・ロマ(フォード・ラプター)は、スタートから173kmの地点でストップ。最終的に、3時間以上遅れて再び走り始めた。

今回のダカールは初めて、大会前半に48時間クロノステージとマラソンステージの両方が行われる過酷な設定となったが、大きな山場を乗り越えてこの後、休息日を迎える。疲労困憊のコンペティターは、マラソンステージを終えて、ハイルのビバークでメカニック陣と合流。1月10日の休息日に、クルーもマシンもしっかりメンテナスを行い、大会後半の残る7ステージに備える。

ダカール2025暫定リザルト(ステージ5終了時点)
1 H.ラテガン(トヨタGRダカール・ハイラックスEVO) 28:10:11
2 Y.アル-ラジ(トヨタ・ハイラックス) +20:54
3 M.エクストローム(フォード・ラプター) +21:40
4 N.アル‐アティヤ(ダチア・サンドライダー) +35:00
5 L.モラエス(トヨタGRダカール・ハイラックスEVO) +52:06
6 M.ガスリーJr.(フォード・ラプター) +42:44
7 M.セラドーリ(センチュリーCR6) +45:59
8 J-C.ヤコピーニ(トヨタ・ハイラックス) +1:03:17

日本勢では、ランドクルーザー300GRスポーツをベースとしたラリーカーで市販車部門(FIAストッククラス)を戦うチームランドクルーザー・トヨタオートボデーは、マラソンステージの後半をトラブルなく走り切り、三浦昂/ジャン・ミッシェル・ポラト組の500号車が部門トップタイム。ロナルド・バソ/ジャン・ピエール・ギャルサン組の501号車も2番手タイムで続き、累積順位でバソと三浦が部門1‐2を維持して大会前半を折り返した。

「今日で前半戦が終わりましたが、やはり48Hクロノステージでの電気系トラブルによる遅れが悔しいです。無理をして挽回するわけにはいかず、我慢の走りを続けてきました。後半戦の展開が楽しみです」と三浦。

HINO600シリーズでトラック部門に参戦する日野チームスガワラの菅原照仁/染宮弘和/望月裕司組もこの日はノートラブルで走り切り、部門6番手タイムをマーク。累積では部門7番手と順位をひとつ上げて休息日を迎える。
菅原は「前半戦を想定していたポジションで終えることができました。トラック部門のトップとは離れていますが、2、3番手とは競り合えています。トラブルも少なく、良い調子を保って後半戦に臨みたいと思います」と後半戦に向けての意気込みを語っている。