両膝痛などで2場所連続全休中の大相撲の横綱・照ノ富士(33)=伊勢ケ浜=が9日、初場所(12日初日、東京・両国国技館)出場に強い意欲を示した。東京・江東区の伊勢ケ浜部屋で稽古を公開し、幕内・錦富士(28)らを相手に9戦全勝。出場について明…
両膝痛などで2場所連続全休中の大相撲の横綱・照ノ富士(33)=伊勢ケ浜=が9日、初場所(12日初日、東京・両国国技館)出場に強い意欲を示した。東京・江東区の伊勢ケ浜部屋で稽古を公開し、幕内・錦富士(28)らを相手に9戦全勝。出場について明言はしなかったが「あとはやるだけ。それで駄目だったら駄目で、結果はどうなろうと認めるしかない」と、横綱としての覚悟を口にした。
照ノ富士が3場所ぶり復帰への強い気持ちを稽古で示した。幕下力士に胸を出して体の動きを確認すると、幕下・草野、幕内・錦富士と連続で9番取って全勝。上半身の厚みが増し、左上手を引いての寄りは威力十分だった。出場は明言しなかったが「駄目だったら駄目で、結果はどうなろうと認めるしかない。自分の中でやれることをやってきたので」と、やる気をみなぎらせた。
昨年7月の名古屋場所で優勝後、古傷の両膝痛や糖尿病などの影響で2場所連続で全休中だ。6日の横綱審議委員会による稽古総見では大関・大の里(二所ノ関)と3勝4敗だったが、8日の出稽古では元大関の正代(時津風)に11戦全勝。「まだ感覚は完全に戻ったわけじゃない」と慎重だが、日に日に状態が上がっているかを問われ、「もちろん。やっているわけですから」と即答した。
10日午前に取組編成会議を控え、出場意思についての質問には「何で毎日そういうことを?」と語気を強めた。「相手のことよりも自分との闘い」。出場すれば結果が求められるのが横綱。その覚悟をうかがわせた。
師匠の伊勢ケ浜親方(元横綱・旭富士)も「本人が『やる』と言ったら、それは尊重してあげないと。出るなら結果を残すようにしてもらわないといけない」と期待を込めた。照ノ富士は横綱昇進後、休場明けの5場所中、4場所を制している。大関の豊昇龍(立浪)、琴桜(佐渡ケ嶽)が綱取りに挑む注目の初場所。幾度も困難を乗り越えてきた33歳の一人横綱が、両大関の壁となり、11度目の優勝を目指す。(林 直史)