阪神は9日、兵庫県西宮市の球団事務所で今年初めてのスカウト会議を開いた。今秋ドラフト候補として、健大高崎の石垣元気投手(2年)をリストアップしていることが判明。藤川監督の現役時代の代名詞だった“火の玉ストレート”に憧れる右腕は昨春センバツ…
阪神は9日、兵庫県西宮市の球団事務所で今年初めてのスカウト会議を開いた。今秋ドラフト候補として、健大高崎の石垣元気投手(2年)をリストアップしていることが判明。藤川監督の現役時代の代名詞だった“火の玉ストレート”に憧れる右腕は昨春センバツを制し、昨秋の関東大会では2年生史上最速の158キロをたたき出した。メジャースカウトからも評価を受ける逸材に虎が熱視線を送る。
“虎の恋人”はワールドクラスの逸材だ。午後からスカウトが球団事務所に集結。今秋のドラフト会議に向けて、候補選手を確認したもようで、健大高崎の剛腕・石垣もリストアップしていることが分かった。
石垣が全国に名前を知らしめたのは、昨秋の関東大会だ。佐野日大との準々決勝で2年生史上最速158キロを計測。大船渡・佐々木朗希が18年の秋季岩手大会で記録した157キロを上回った。
同戦を視察した阪神の吉野スカウトは「球の強さもあるし、全力でなくても安定して150キロ台が出る」と評価。あるメジャースカウトも「素材は松坂クラス。力を込めなくても球速が出る。体の使い方がうまい」と絶賛した。身長178センチと大柄ではないが、“平成の怪物”と姿を重ね合わせるほどの衝撃を覚えていた。
虎とも縁がある。石垣にとって、理想の直球は「藤川球児さん」。“火の玉ストレート”に憧れ、持ち味を磨いてきた。さらに昨春センバツ決勝・報徳学園戦は先発して、のちに阪神からドラフト2位指名される今朝丸と投げ合いを演じた。8回2失点の好投で、健大高崎にとって春夏通じて初の甲子園優勝に貢献。昨夏の甲子園では背番号1を背負った。
阪神にとって高卒投手は補強ポイントの一つと言える。19年度ドラフト1位の西純は22年に6勝、23年に5勝を挙げたものの、昨季は1軍登板がなかった20年以来の0勝。21年度ドラフト1位・森木は、3年間で1軍登板は2試合で0勝2敗と伸び悩み、今季から育成選手契約への切り替えを余儀なくされた。
今秋ドラフト候補には石垣の他にも、高校生には好投手がそろう。大阪桐蔭・森陽樹投手、中野大虎投手、東洋大姫路・阪下漣投手、滝川・新井瑛太投手(全て2年)も高い注目を浴びる。石垣とともに、阪神は地元の逸材にも熱視線を送る。
石垣は今春のセンバツ大会への出場が有力視されている。昨年12月には「連覇がチームの合言葉。自分が投げているときは相手に絶望感を与えられるような投手になりたい」と力強く語っていた。目標は高卒ドラ1。北海道が生んだ群馬の“怪物”から目が離せない。
◇石垣 元気(いしがき・げんき)2007年8月16日、17歳。北海道登別市出身。178センチ、75キロ。右投げ両打ち。市立西小1年時に「柏木ジュニアーズ」で野球を始め、西陵中では「洞爺湖シニア」に所属。健大高崎では1年春からベンチ入り。50メートル走は6秒3、遠投は110メートル。