J1町田は8日、町田市内で2025年シーズンを始動。9日までに取材に応じた強化部門の最高責任者・原靖フットボールダイレクター(FD)は「黒田さんのサッカーを2年間検証して、黒田さんのサッカーが実現できるように。プロトタイプといいますか。質…
J1町田は8日、町田市内で2025年シーズンを始動。9日までに取材に応じた強化部門の最高責任者・原靖フットボールダイレクター(FD)は「黒田さんのサッカーを2年間検証して、黒田さんのサッカーが実現できるように。プロトタイプといいますか。質と実をとった」と補強方針を説明すると「チームの好成績とうちのクラブの文化がリンクされて、非常に多くの選手に関心を持って頂けた。(今オフの採点は)85点くらかなと思っています。甘いかな」と今オフのここまでを総括した。
初昇格初優勝を目指した昨季は3位と躍進。J1初昇格クラブの史上最高順位を記録するなど飛躍を遂げた。選手ではFW藤尾翔太がパリ五輪代表に、そして大卒1年目のDF望月ヘンリー海輝も日本代表にも選出されるなど若手の台頭もありながら、シーズン中には現役の日本代表FW相馬勇紀とDF中山雄太を補強。GK谷晃生もW杯アジア最終予選の全試合でベンチ入りするなど、J1屈指の戦力を誇るチームを作り上げ、一気にリーグの強豪の地位まで上り詰めた。
今オフも横浜FMから移籍した元日本代表MF西村拓真に加えて、福岡で主将を務めたMF前寛之や、昨季のデュエル数(1対1での勝利総数)でリーグ2位の札幌のDF岡村大八ら、20代中盤から後半の年齢の実力者が加入した。原FDは谷、相馬、中山など現役の日本代表がチームに在籍することによって「彼らから刺激を得たいということで必然的に(選手が集まった)。一番脂が乗って、これから3年4年かけてチームを引っ張っていくような世代がそろった」と補強の面での効果があったことを明かした。
新加入に加えて、リーグ最少失点(34点)の守護神として君臨した谷や韓国代表FWオセフンと、昨季の主力を担った2選手も完全移籍を果たした。谷は昨季のシーズン中の時点で保有元のG大阪と話は出来ていたというが、オセフンは来季J1へ昇格する清水がJ1のライバルチームに移籍されるのは困るということで「困難を極めた」という。しかし最終的には「彼本人もヨーロッパへの夢があるが、うちを選んでくれた。清水さんも彼のキャリアを考えた場合にプレーし続けるチームでと最終的には話し合いで合意できた」と町田への完全移籍が決まった。
大きく戦力を補強する一方で、外国出身選手の補強は韓国の中京高校から加入したチャジェフンのみ。23年に黒田剛監督が就任して以降、23年にオーストラリア代表FWミッチェル・デューク、24年にコソボ代表DFドレシェビッチなどの新戦力を加えることで強化を図ったチームが、方針転換を行った。多くの外国出身選手の契約更新も発表され、原FDは「新しい外国人を呼んできた場合におそらく、相手に(攻撃)させないとか、前線から守備だという戦術はなかなかすぐ理解できる選手が少なかろうと。新たに行くのはリスキーかなという話はしていました」と今回の決断に至った経緯を説明した。