第101回箱根駅伝(1月2、3日)は、青学大が総合新記録の10時間41分19秒で2年連続8度目の優勝を果たして幕を閉じ、すでに各校は来年の第102回大会に向けてスタートを切っている。新たな指導体制で再スタートを切った大学も多い。 優勝7回…

 第101回箱根駅伝(1月2、3日)は、青学大が総合新記録の10時間41分19秒で2年連続8度目の優勝を果たして幕を閉じ、すでに各校は来年の第102回大会に向けてスタートを切っている。新たな指導体制で再スタートを切った大学も多い。

 優勝7回を誇る古豪の明大は8日、山本豪(たけし)駅伝監督(51)による指導体制を終了し、当面の間、園原健弘競走部監督(63)が駅伝監督を兼務することを発表した。1920年の第1回箱根駅伝に出場した東京高等師範学校(現筑波大、優勝)、明大(2位)、早大(3位)、慶大(4位)は「箱根オリジナル4」と呼ばれる。そのうちの1校の伝統校でもある明大は昨年の予選会で12位敗退で7年ぶりに本戦出場を逃した。

 箱根駅伝初出場を目指す麗沢大は7日に新監督として実業団の新電元と東京経大で監督経験を持つ大東大OBの池谷(いけがや)寛之氏(49)が就任することを発表した。山川達也監督(40)は退任する。麗沢大は18、19年の箱根駅伝予選会で2年連続で次点となったが、昨年の予選会は17位で敗退。学内では悲願の初出場に向けて監督交代を決断し、大東大時代に3度箱根駅伝に出場してホンダ時代には5000メートルで日本歴代7位(当時)の13分25秒72を記録するなどトップランナーとして活躍した池谷氏を招聘(へい)した。

 昨年の予選会で27位に終わった亜大は、予選会の直後の10月末に佐藤信之監督(52)が退任し、佐々木悟コーチ(39)が新監督に就任した。亜大は06年に劇的な優勝を果たしたが、近年は低迷し、15年連続で予選会敗退している。

 予選会で敗退した大学では監督交代が続出しており、今後も数校の監督交代が見込まれている。

 青学大の原晋監督(57)は箱根駅伝を制した直後に、大学駅伝界のシビアさ、厳しさを明かした。「大学の指導者はみな真剣です。結果出さないと、すぐにクビになりますから」と真面目な表情で話した。その上で実業団についても言及。「昔の中村清さん(瀬古利彦さんらを指導)、小出義雄先生(有森裕子さん、高橋尚子さんらを指導)、藤田信之さん(野口みずきさんらを指導)というような熱量の高い指導者が実業団はいない」と指摘した。

 箱根駅伝で連覇を飾った青学大は翌4日はテレビ番組収録とチームミーティングを行い、5日と6日は完全オフ。つかの間の休息で心身をリフレッシュした後、7日からは「通常運転」に戻った。午前5時に起床。夜明け前の真っ暗な中、午前5時45分から朝練習が始まった。原監督は「これが我々の日常です」とテレビ番組で見せる明るい表情とは対照的に淡々と語った。

 箱根駅伝2位の駒大、同3位の国学院大は4日の早朝から始動した。

 勝ったチームも、負けたチームも、さらに監督交代となったチームも第102回箱根駅伝に向けて粛々と走り始めている。