大相撲の大関・大の里(24)=二所ノ関=が8日、茨城・阿見町にある部屋で、初場所(12日初日、東京・両国国技館)で着用する新化粧まわしを贈呈された。出身の石川県で金沢カレー店をチェーン展開する「ゴーゴーカレーグループ」から、ゴリラが描かれ…
大相撲の大関・大の里(24)=二所ノ関=が8日、茨城・阿見町にある部屋で、初場所(12日初日、東京・両国国技館)で着用する新化粧まわしを贈呈された。出身の石川県で金沢カレー店をチェーン展開する「ゴーゴーカレーグループ」から、ゴリラが描かれた力強い化粧まわし。金沢市に本社がある同社は昨年起きた能登半島地震や豪雨による被災者へ炊き出しなどの義援活動を行っており、大の里も「自分は土俵で勇気づけたい」と深く共感した。初場所で3度目の優勝を果たし、夢の横綱昇進につなげる。
力強い化粧まわしを前に、力がみなぎった。大の里はゴーゴーカレーグループの象徴であるゴリラがド真ん中にデザインされた化粧まわしを贈呈され、「25年最初の場所。この化粧まわしをつけたからにはもっと上を目指さないといけない」。関係者によると、ゴリラのような強さと優しさを兼ね備え、相撲界で飛躍を遂げてほしいという思いが込められたという。化粧まわし贈呈の理由を耳にし、大の里も「インパクトが強い。つけるのが楽しみ」と目を輝かせた。
昨年は大の里の地元・石川は元日に能登半島地震が発生し、9月は豪雨に見舞われた。金沢市内に本社がある同社は「復興ゴーゴープロジェクト」を実施し、被災者に炊き出しでカレーを提供し、義援金募金活動も行っている。社名「ゴーゴー」の由来の一つは、日米のプロ野球で活躍した石川県出身の“ゴジラ”松井秀喜さんの背番号「55」。昨年2月に祖父がいる内灘町の避難所を訪問した大の里は「(松井さんは)石川の大スター。自分も石川を盛り上げたい。土俵で勇気づけられたら」と共感した。
新大関場所だった昨年11月の九州場所は終盤に優勝争いから脱落し9勝6敗。悔しさが残った。今月6日の横綱審議委員会による稽古総見では横綱・照ノ富士(33)=伊勢ケ浜=と7番を含む計18番、7日は佐渡ケ嶽部屋で大関・琴桜(27)=佐渡ケ嶽=との14番を含む計22番。この日は「良い感じで稽古できている」と、基礎運動にとどめた。東京開催は昨年の夏場所と秋場所で連覇中。大暴れする準備はほぼできている。
23年夏場所でデビューしたばかりで大いちょうが結えておらず、先場所は史上初のちょんまげ大関で戦った。初場所も「大いちょうを結えるかどうかはまだ分からない。(分かるのは)ギリギリになる」と明かした。9月の秋場所までに横綱へ昇進すれば昭和以降では羽黒山、照国の初土俵から所要16場所を抜く最速横綱となる。25年は“ゴリラ&ゴジラパワー”で新たな伝説をつくる。(山田 豊)
【化粧まわしトリビア】
Q サイズは?
A「まわし自体の長さは6~7メートル、重さは約10キロ」
Q いつから?
A「日本相撲協会によると、現在とほぼ同じ化粧まわしになったのが天明年間(1781~89年)」
Q だれが贈るの?
A「後援会や母校などが昇進を祝って贈ることが多い」
Q 横綱の化粧まわしは?
A「『三つぞろえ』と呼ばれる、3枚セットの特別なもの」
Q 高額なの?
A「手作りのため製作費用は高額。過去最高額は1982年当時の若島津で、ワシの足に10カラットのダイヤモンドが織り込まれ、約1億5000万円とされている」
◆ゴーゴーカレーグループ 黒くてドロリとした濃厚なカレーソースが特徴の金沢カレー店のチェーン企業。2004年に1号店が開店し、現在は石川県、東京都などを中心に世界で100店舗以上を展開。キャベツのおかわりが自由で、定番のロースカツカレーなどが人気。「ゴーゴー」は石川県出身でプロ野球・巨人や米大リーグで活躍した松井秀喜さんの背番号55が由来の一つ。同社によると、看板にデザインされたゴリラは、当初は松井さんのニックネームにあやかったゴジラを使いたかったが、著作権法上の問題で1字違いのゴリラに変えたという。