◆プロボクシング ▽WBA、WBC、IBF、WBO世界スーパーバンタム級(55・3キロ以下)統一戦12回戦 統一王者・井上尚弥―サム・グッドマン(1月24日、東京・有明アリーナ) プロボクシングのスーパーバンタム級世界4団体統一王者・井上尚…

◆プロボクシング ▽WBA、WBC、IBF、WBO世界スーパーバンタム級(55・3キロ以下)統一戦12回戦 統一王者・井上尚弥―サム・グッドマン(1月24日、東京・有明アリーナ)

 プロボクシングのスーパーバンタム級世界4団体統一王者・井上尚弥が8日、横浜市内の所属ジムで代表取材に応じた。対戦相手の負傷で、昨年12月24日から今月24日に延期になったIBF、WBO世界同級1位サム・グッドマンとの防衛戦(有明アリーナ)に向けスパーリングを行い、「2025年1発目の世界戦。ファンの方に向けてはいいものを見せたい」と決意を述べた。

 16日後に迫った防衛戦に向けて、井上は元全米アマ王者ジャフェスリー・ラミド(25)=米国=と6ラウンドのスパーリングを行うなど、精力的にジムワークをこなした。「今の時点では、もう最高に仕上がっている。1か月延びたことで感覚、イメージもしっかりと整えることができた。自分の中で、すごくいい方向に捉えている」と好調をアピールした。

 当初は昨年クリスマスイブに防衛戦を行う予定だったが、グッドマンが来日直前のスパーリングで左目上を裂傷。4針縫ったことで、興行は1か月延期となった。当時、その知らせをゴング10日前の朝の練習中に聞いた井上は「いったんは中止と聞いて。その後、二転三転して延期という形となってセットし直された。(気持ちを)切らさず頑張るだけだな」と冷静に状況を受け入れた。

 一方で、延期の理由となったグッドマンの負傷箇所を狙うのかを聞かれると、「当たり前じゃないですか」とキッパリ。「勝負ですからね。プロの世界は甘いものじゃないよ、というところ。そこも一つ勝利のカギになってくるところではある」と勝負師の顔をのぞかせた。

 延期決定後も年末年始のオフを返上。大みそかも元日もジムワークを行い、初詣にも行かず「ずっと練習漬け」という。2025年は米ラスベガスやサウジアラビアでのビッグファイト開催の可能性も浮上している中、グッドマン戦は新たな挑戦への幕開けでもある。「25年1発目の世界戦、いいものを見せたい。初めて見に来た方と、ボクシングに詳しい方々が楽しめるような試合ができるように準備している」。延期されたことで得た1か月間が、モンスターをさらに進化させる。(勝田 成紀)

 〇…大橋ジムの大橋秀行会長(59)は、井上のここまでの調整について「100点満点です。いい調整ができている」と話した。一方で、「ただ、1か月の調整というのがね。2か月延期だと仕切り直しの感じがするが、体重も増やせないし」と体調管理の難しさを指摘した。また、グッドマン負傷の知らせから、わずか3時間半で延期を決めたことも明かし「しかし、1か月後に延期できるなんて奇跡だよね」と語った。