「ボクシング・4団体統一世界スーパーバンタム級タイトルマッチ」(24日、有明アリーナ) ボクシング世界スーパーバンタム級4団体統一王者の井上尚弥(31)=大橋=が8日、IBF、WBO世界同級1位のサム・グッドマン(26)=オーストラリア=…
「ボクシング・4団体統一世界スーパーバンタム級タイトルマッチ」(24日、有明アリーナ)
ボクシング世界スーパーバンタム級4団体統一王者の井上尚弥(31)=大橋=が8日、IBF、WBO世界同級1位のサム・グッドマン(26)=オーストラリア=との防衛戦(24日、有明アリーナ)に向けて横浜市内の所属ジムで代表取材に応じた。当初は昨年12月24日に行われる予定だったが、相手の負傷により1カ月延期。ただ、コンディションは「最高の仕上がり」と自信をのぞかせ、相手が負傷した左目についても「そこも一つ勝利のカギになる」と狙っていく考えを明かした。
異例の年またぎマッチとなったが、モンスターの拳はむしろ、うなりを増している。尚弥は仕切り直しの一戦に向けて、正月休みも取らずに調整を続けており、感覚はより研ぎ澄まされているという。
「当日リングに上がってみないと何とも言えないが、今の時点では最高に仕上がっている。延期があったからプラスに取り入れられたこともある。スパーリングの数、内容も含め、(延期前は)まだ完成し切れてない部分があったが、1カ月延びたことで感覚、イメージもしっかりと整えることができた」
当初は昨年クリスマス・イブに実施予定だったカードだが、グッドマンが直前練習で左目上をカットしたため、試合10日前に急転直下で延期が決まった。朝練の最中に一報を聞いたという尚弥は「10日前だったのでビックリはした」と振り返りつつ、「そこで慌てふためいても変わることはないので、指示を待つだけだった。延期なら延期、中止なら中止で気持ち的にも切り替えられると思っていた」と冷静だったという。
相手の負傷箇所も勝機の一つとして数える。グッドマンの左目を狙うのか、という問いに対しては「当たり前じゃないですか」と即答。「勝負ですからね。そこは(相手の)一つ大きな弱点になる。プロの世界は甘いものじゃないよ、というところ(を見せる)」と非情ファイトを予告した。
昨年末は自身も含め、日本人の世界戦が3試合なくなったが、「武居(由樹)が中止、井岡(一翔)選手が中止という中で、ボクシングファンの中では結構うずうずしている方もいるんじゃないか」と尚弥。「この2025年一発目の世界戦で、自分の中ではファンの方に向けていいものを見せたいなっていうのはある」。フラストレーションをためている日本ボクシング界の“除夜の鐘”を拳で鳴らし、新年の幕開けを飾る。