阪神・藤川球児監督(44)が8日、鳴尾浜で行われた新人合同自主トレ初日を視察し、ドラフト1位・伊原陵人投手(24)=NTT西日本=ら新人投手全員のキャンプ2軍スタートを示唆した。体調不良や故障を除けば、球団の大卒、社会人のドラフト1位投手…
阪神・藤川球児監督(44)が8日、鳴尾浜で行われた新人合同自主トレ初日を視察し、ドラフト1位・伊原陵人投手(24)=NTT西日本=ら新人投手全員のキャンプ2軍スタートを示唆した。体調不良や故障を除けば、球団の大卒、社会人のドラフト1位投手のキャンプ2軍スタートは2009年の蕭一傑以来16年ぶり。現役時代にケガに苦しんだ経験を踏まえつつ、新人への訓示でもケガに気をつけるように訴えた。
“金の卵”はじっくり育て上げる。南国の地でヨーイドンのケガだけは避けたい。気温5度の鳴尾浜。藤川監督が白い息を吐き出しながら、新人育成プランを展開した。
「最近は肘を痛めたりするケースが非常に多い。僕も寒いのがものすごく苦手だったので。正直なところ、2月1日、1軍キャンプスタートというのは若い新人投手にとって全く意味がない。これはもう間違いない」
新人合同自主トレ初日を視察した指揮官が、ドラフト1位の伊原を含めた新人全投手のキャンプ2軍スタートを示唆した。大卒、社会人のドラフト1位投手で2軍スタートとなるのは昨年の下村に続いて2年連続。ただ、体調不良やケガを除けば09年の蕭一傑以来、16年ぶり。虎では異例でも藤川阪神では、今後スタンダードとなりそうだ。
「焦っても意味がないでしょう(笑)。アピールはいらない。僕がキャリアの中で一番しんどかったのがケガなので。投手は特に」。自身の現役時代の経験を踏まえつつ、最大の目的に挙げたのは故障防止だ。
若手の頃は「3年連続キャンプリタイア1号やったことがある」と新聞の1面を飾ったことを笑い飛ばした。虎のドラ1であれば注目度はなおさら高くなる。慣れない環境で周囲の期待に応えようとハイペース調整にもなりがちだ。過去にはケガにつながるケースもあった。23年から2軍キャンプ地が具志川に移転し、1、2軍の沖縄キャンプが実現。メンバーの入れ替えも容易になり“球児流キャンプ”に障壁はなくなった。
「素晴らしい!」と、声を弾ませたのは伊原のマイペース調整宣言だ。春季キャンプに向けて「(状態は)MAXに持っていかないで、徐々に上げていく」と左腕が話したことを称賛。「高校から大学、社会人と学びながら、悩みながら周りのバランスを見ながらきた。どういけば自分の道が開けるか、分かっていると思う」。新人最年長の24歳。挫折も知る即戦力ルーキーの心意気を頼もしく受け止めている。
訓示でも基礎練習の重要性を説くとともに「ケガだけはしないように」とメッセージを送った。本番はシーズンだ。「健康第一」を掲げ、新人の成長を後押ししていく。