7日に花園ラグビー場(大阪府東大阪市)であった第104回全国高校ラグビー大会の決勝。2大会連続、5度目の優勝を果たした桐蔭学園の選手たちは、ノーサイドのホイッスルが鳴ると、グラウンドで抱き合って喜んだ。 桐蔭学園は前半9分、センター・松本…
7日に花園ラグビー場(大阪府東大阪市)であった第104回全国高校ラグビー大会の決勝。2大会連続、5度目の優勝を果たした桐蔭学園の選手たちは、ノーサイドのホイッスルが鳴ると、グラウンドで抱き合って喜んだ。
桐蔭学園は前半9分、センター・松本桂太選手(3年)のトライで先制し、その後も追加点を挙げ12―0で折り返した。後半開始直後に7点を返されるも、9分、右ラインアウトからモールを押し込みフッカー・堂薗尚悟選手(2年)がトライ。その後も立て続けにトライを決めて東海大大阪仰星を突き放し、第99、100回大会に続く2度目の2連覇を達成した。(中嶋周平)
前半9分。桐蔭学園のFWは相手ゴール前で攻撃を連続し、センター・松本桂太選手(3年)の先制トライにつなげた。フランカー・申驥世(しんきせ)主将(3年)は、「FWで押し込むことにこだわっていた」と振り返る。
3年前の2月、東京朝鮮中に在籍していた申主将は、父親がコーチを務める東京朝鮮高ではなく、幼い頃から花園で見て憧れていた桐蔭学園に進学すると決めた。父親のハンソルさんは自校に入ってもらいたかったが「彼は自分で考えられる子なので」と決断を尊重した。そして、「1年からレギュラーになって、優勝に貢献しろ」と言って送り出した。
父親との約束通り、1年時からレギュラーで活躍し、前チームでは春の選抜大会と冬の全国高校ラグビー大会の2冠に貢献。しかし、主将として率いた今のチームでは、思うような結果が出なかった。「今年度のチームは弱くて勝てない」という声も聞こえてきた。
それでも申主将は、プレーや声かけでチームを鼓舞し続けた。藤原秀之監督をして「あんな最高な男はいないよ。1人体を張って、元気づけて、なかなかできることじゃない」と言わしめるリーダーシップを発揮してきた。選手たちも「自分たちの代も花園で優勝するんだ」と信じ、FWの体格で劣っても負けないよう1年間練習を重ねた。その努力が結実した決勝の攻撃だった。
優勝を決めた瞬間、両手を上げて跳びはねた。「色々言われてきたが、この代が一番強いと証明したかった。勝った瞬間、肩の荷が下りた」(中嶋周平)
■今大会の成績
2回戦 48―7 流通経大柏(千葉)
3回戦 46―0 山梨学院(山梨)
準々決勝 26―14 大阪桐蔭(大阪第1)
準決勝 25―14 国学院栃木(栃木)
決勝 40―17 東海大大阪仰星(大阪第2)(中嶋周平)