6日に入寮した阪神の新人9選手が7日、鳴尾浜で始動した。9時50分には全員そろってグラウンドへ向かい、それぞれアップやキャッチボールなどで約1時間半汗を流した。ドラフト1位・伊原陵人投手(24)=NTT西日本=とドラフト2位・今朝丸裕喜投…

 6日に入寮した阪神の新人9選手が7日、鳴尾浜で始動した。9時50分には全員そろってグラウンドへ向かい、それぞれアップやキャッチボールなどで約1時間半汗を流した。ドラフト1位・伊原陵人投手(24)=NTT西日本=とドラフト2位・今朝丸裕喜投手(18)=報徳学園=は初のキャッチボール。ポール間ダッシュなども行い、翌日に迫る新人合同自主トレに向けて万全の準備を整えた。

 風が強く、一段と寒い鳴尾浜でパシッと乾いた音が響いた。よく見ると球が二つ。伊原がこだわりのボールを使いながら、今朝丸と初のキャッチボールを行った。「そのボールを投げとけば、力を入れずに腕が走る」と愛用の理由を明かした。

 伊原が大商大野球部を引退してから、プロに入った先輩の勧めで使い始めたという“秘球”だ。米トレーニング施設「ドライブラインベースボール」のボールで、「とにかく硬球が軽いんで、重たい球を投げたかった」と冬のオフシーズンを中心に使用。サイズは同じだが、通常の硬球の重さが141・7~148・8グラムに対し、そのボールは約2倍の300グラム。指先やリリースポイントの感覚など、「腕の走りの問題」と細かい動きを確認するため、球の重量感を大切にしている。

 二つの球が行き来した理由は。「僕がちょっと重たいボールを投げてるんで。(今朝丸は)投げてないんで『投げなくていいよ』って」。左腕が投じた球を、今朝丸が通常の硬球に変えて投げていた。ドラ2の球を直に受けた伊原は「やっぱすごい。社会人でも負けない」と賛辞を贈った。

 8日からは新人合同自主トレが始まる。それでも伊原はマイペース調整を貫く。「アピールは大事になると思うんですけど、飛ばしすぎてもって。やるべきことをしっかりやれれば」。春季キャンプに向けても「(状態は)MAXに持っていかないで徐々に上げていく感じで」と話す。

 「(社会人とプロで)違いは出てくるかもしれないけど、こういう感じでいけば1年キープしやすいんじゃないかなっていうのは、去年1年間で分かった」と、シーズンを完走する体作りを重要視する。その上で「継続する部分と新しく取り入れる部分とを融合させていけばいい」と進化を誓った。

 この日はポール間ダッシュ6本に、40メートルダッシュ10本と走り込んだドラ1。「うまくこのグラウンド全部を使って自分をレベルアップさせたい」。ペースを崩さず、順調に準備を進めていく。