サッカー・ポルトガル1部リーグのナシオナルは6日、J1京都から昨年のパリ五輪男子日本代表MF山田楓喜(23)が期限付き移籍で加入すると発表した。期間は今季終了まで。山田は昨年11月ごろ、期限付き移籍先だった東京Vで3試合連続ベンチ外が続く…
サッカー・ポルトガル1部リーグのナシオナルは6日、J1京都から昨年のパリ五輪男子日本代表MF山田楓喜(23)が期限付き移籍で加入すると発表した。期間は今季終了まで。山田は昨年11月ごろ、期限付き移籍先だった東京Vで3試合連続ベンチ外が続く中、意外な胸中を明かしていた。
11月中旬、山田はヴェルディ・グラウンドで行われたJ3松本山雅とのトレーニングマッチに出場。控えメンバー中心のスタメンで90分、右シャドーの位置で精力的な動きを見せていた。当時、好調だったチームでは2列目の競争が激化。山田は10月6日の湘南戦以降、3試合連続でベンチ外が続いている状況だった。
リーグ戦では開幕戦を含め3本の直接FKを決めたほか、パリ五輪アジア最終予選兼U23アジア杯の決勝では日本を優勝に導くゴールを奪うなど、自慢の左足で脚光を浴びていただけに、そのギャップから悔しい思いを持っているのでは。そう思い山田に話を聞いたところ、返ってきた意外な言葉が印象に残っている。
「悔しさというか…。次のステージに向けて今準備してる時間帯なので。次のステップに行くための準備期間で、今すごく成長してるなと思います。試練とかはそういう風には捉えてはないです」
“次のステージ”が海外移籍のことを表すかは断定できないが、選択肢の一つにはあったのだろう。ただ、いつもの山田らしくポジティブに、ひょうひょうとした様子で取材に応えてくれた。
契約の関係上、最終節の京都戦には出場できないため、当時山田に残された昨季の試合は11月30日の川崎戦のみだった。シーズン締めくくりへの意気込みを聞くと「ラスト1試合ではありますけど、まだ3週間ぐらいはずっと練習は続くので。そこで自分がどんだけ成長できるかで、また自分のレベルも変わってくると思う」と前向きな回答。そして、「試合どうこうよりも目の前の練習で自分がどれだけ成長できるかっていうのを大事にしてやってるんで。どんだけ自分が上のステージに上げていけるか楽しみではあります」と目を輝かせていた。
トレーニングマッチ後、東京Vの城福浩監督は「長くプレーしてほしい選手を長く立たせたかった」と、途中交代が多かった山田を90分フル出場させた理由を説明。システム変更のチーム事情もあり、右サイドが主だった山田に、シーズン途中からシャドーのポジションを任せるようになった。「(サイドより)中でプレーするから、ボールが来たときの選択もよりリスクが高まる。そういう意味では、彼はそこも経験しながら前に進もうとしている」と評価していた。
山田は期限付き移籍の終了を発表した東京Vのリリースを通じて「正直、いろいろな選択肢がありました。その中で僕は自分が一番ワクワクしたところを選び、挑戦することにしました。楓喜らしい選択をしたな~って言ってくれる人もいたり、無理していくな、やめとけとか言う人もいたけど、自分自身がワクワクしちゃったのでもう行くしかないです(笑)」「ありがとう東京ヴェルディ!大好き東京ヴェルディ!」などとコメントを発表した。ゴールパフォーマンスの“楓喜マスク”がポルトガルでも見られる日を期待したい。