井上は昨季8勝をマーク、飛躍の年となった(C)産経新聞社 今オフの巨人の積極補強が話題を集めている。  ソフトバンクからはFA宣言を行った捕手の甲斐拓也を獲得、投手陣では楽天を自由契約となった日米通算197勝の田中将大、また中日の絶対守護神…

井上は昨季8勝をマーク、飛躍の年となった(C)産経新聞社

 今オフの巨人の積極補強が話題を集めている。
 
 ソフトバンクからはFA宣言を行った捕手の甲斐拓也を獲得、投手陣では楽天を自由契約となった日米通算197勝の田中将大、また中日の絶対守護神として活躍したライデル・マルティネス、新外国人野手として3Aで「トリプルスリー」を達成したこともある外野手のトレイ・キャベッジを獲得。ほかにもDeNAを自由契約となったセットアッパー左腕、石川達也など多士済々な顔ぶれも期待を高めている。

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 昨季4季ぶりのリーグ優勝を果たしたチームも目指す日本一には手が届かなかった。阿部慎之助監督はさらなる浮上を目指して、選手たちに競争意識の高まりを求めている。

 開幕投手争いもその一つ。昨季は右のエース格、戸郷翔征が初の大役を務めたが、今季は指揮官はあえて明言せず、開幕直前まで状態を見極め、競わせる方針を示している。

 大本命が戸郷であることは間違いないだろうが、初の大役を射止める選手が出てくるか、注目される。

 その意味で期待を高めているのは、今年で高卒6年目シーズンを迎える左腕の井上温大にもある。

 2024シーズンは飛躍の年となった。中継ぎも経験しながら、6月から先発ローテーションに定着すると8勝(5敗)、防御率2.76をマーク。貴重な左腕として勝ち星を積み重ねると、11月には侍ジャパンの一員として「プレミア12」に参戦。開幕投手も担い、3戦3勝の快投を見せた。他球団のトップクラスの選手たちとの交流で見聞を広めたことも今季にはプラスに働きそうだ。

 「97」の背番号もすっかり定着しているが、今オフは背番号変更プランがあったことも伝えられた。ただこれに対し、指揮官は"NO"を示したという。安定した成績をもう少し残してからという親心。果たして周囲の期待に左腕がどう応えていくかも注目となる。

 さらに開幕投手争いに名乗りをあげているのは、2年連続2桁勝利をマークした山崎伊織にもある。
 
 プロ5年目の27歳シーズン、まさに投手として脂が乗っていく時期ともなる。昨季、前半戦は7勝2敗と圧巻の成績を残しながら、後半戦は3勝4敗と足踏みとなった。先発ローテ定着3年目シーズン、投球の引き出しも増え、満を持して大役を射止められるかも注目となりそうだ。

 そして当然、戸郷も黙っていないだろう。2023年WBCにも出場、世界にも右腕の実力を知らしめた。昨季は自身初のノーヒットノーランも達成、タフネス右腕が菅野がいなくなった後の投手陣をけん引していくことは間違いない。

 これらの投手陣に加え、先発争いでは西舘勇陽、赤星優志、堀田賢慎、横川凱、伊藤優輔、京本真ら成長が楽しみな布陣がそろう。

 昨季もリーグVの大きな原動力となった投手力をいかに磨いていくか。春のキャンプはし烈な開幕投手争いも見どころの一つとなりそうだ。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

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