今季からサッカーのJ2で戦うRB大宮アルディージャが6日、さいたま市西区の練習場で始動した。経営母体が外資の飲料メーカー「レッドブル」に代わり、チーム名やエンブレムも変えて迎える新たなシーズン。新加入ながら背番号10をつけるのが、FW豊川…

 今季からサッカーのJ2で戦うRB大宮アルディージャが6日、さいたま市西区の練習場で始動した。経営母体が外資の飲料メーカー「レッドブル」に代わり、チーム名やエンブレムも変えて迎える新たなシーズン。新加入ながら背番号10をつけるのが、FW豊川雄太だ。

 「新たにやってやるぞ、という強い気持ちで来た」。合流初日の練習を終え、覚悟を口にする。

 J1京都サンガFCから、J2のRB大宮に完全移籍した理由をたずねると、「テツさんです」。J3優勝を果たした昨季に続き、チームの指揮をとる長沢徹(てつ)監督の存在を挙げた。

 2016~17年にプレーしていたファジアーノ岡山時代の監督で、京都時代はコーチを務めていたのが長沢氏。そんな縁もあり、「自分が成長できるところを考えたときに、ここがベストだと思った」。練習から激しさやハードワークを求める熱血漢に魅了され、「フットボールに夢中になれる。熱くなれるところを僕は選びたいと思った」と語る。

 長沢監督からの言葉で印象に残っているのは、16年のリオデジャネイロ五輪前の出来事だという。

 豊川はアジア最終予選で得点を挙げる活躍をみせていたが、最終的にリオ五輪本大会の日本代表メンバーから漏れた。当時、監督から「おめでとう」と声をかけられた。

 落選した悔しさも理解しつつ、そこからはい上がることを期待されたようだった。「お前のサッカー人生を考えたら、『おめでとう』だよ」。そんな言葉が胸に刺さった。

 その後はベルギーに渡ってもまれ、帰国後はセレッソ大阪、京都に所属し、J1の舞台で戦ってきた。

 背番号10をつけるのは、熊本・大津高で活躍していた高校時代以来。プロでは初めてだ。豊富な運動量が持ち味のアタッカーは、その役割を自分でも理解している。

 「(本来は)うまい選手がつけますけど、そうじゃない。泥臭く、何度も何度もゴールに向かう。大宮の10番をそういうイメージにできるように、しっかりと結果で頑張りたい」

 新生アルディージャを象徴する存在へ。経験豊富な中堅は新天地で、輝くつもりだ。(照屋健)