阪神・粟井一夫社長(59)が6日、V奪還を厳命した。年賀式で球団創設90周年の節目に「コンセプト」として掲げたのは「感謝と尊敬」「愛」「挑戦」。今年3月、尼崎市に新ファーム施設が開業予定で、球団は総力を挙げて野球振興に尽力していく。 新春…
阪神・粟井一夫社長(59)が6日、V奪還を厳命した。年賀式で球団創設90周年の節目に「コンセプト」として掲げたのは「感謝と尊敬」「愛」「挑戦」。今年3月、尼崎市に新ファーム施設が開業予定で、球団は総力を挙げて野球振興に尽力していく。
新春の冷たい雨が断続的に降る中、粟井社長の所信表明は熱を帯びた。2年ぶりのV奪還に挑む一年は球団として、伝統の継承と革新を起こす年と位置づける。「改めて確認したい」とした指針は3項目。ファン、球団OBへの感謝と尊敬。世代を超えて愛される球団経営を挙げた。
3つ目として強調したのは100周年に向けた挑戦だ。1日付で野球振興室を新設。昨季限りで現役を引退した陽川尚将氏、江越大賀氏、高浜祐仁氏をアカデミーコーチとして招き、裾野を広げて野球の魅力を発信していく。「挑戦し続ける球団でありたい。職員全員が念頭に置いてやっていく」と続けた。
3月には新ファーム施設が開業する。FAや外国人選手の補強に頼らず、自前で選手を育てるために「いま考えられるものは全て織り込んだ」と胸を張る“虎の穴”。「ドラフトで下位の選手からスター選手が出てくるように、レギュラーを取る選手が出てくるためになくてはならない施設」と育成に主眼を置く。
新球場では2軍公式戦で入場料金が必要になる。「興行としてこれまで以上に、ファンサービスにも力を入れていく」とし、阪神・淡路大震災から30年を迎えるシーズンに思いをはせた。「能登や東日本の復興につながっていけば。その一番前を走っているのが神戸。そういう年でもあるので、ぜひとも勝ちたい」と粟井球団社長。「勝ちながら育てる」をテーマに、愛される球団をつくり上げていく。