◆スーパー杯「トロフェ・デ・チャンピオンズ」 パリSG 1(0―0、1―0)0 モナコ (5日=ドーハ・スタジアム974) 【ドーハ(カタール)5日=金川 誉】フランスのスーパー杯「トロフェ・デ・チャンピオンズ」がスタジアム974で行われ、…

◆スーパー杯「トロフェ・デ・チャンピオンズ」 パリSG 1(0―0、1―0)0 モナコ (5日=ドーハ・スタジアム974)

 【ドーハ(カタール)5日=金川 誉】フランスのスーパー杯「トロフェ・デ・チャンピオンズ」がスタジアム974で行われ、日本代表MF南野拓実(29)を擁するモナコは、パリSGに0―1と敗れた。先発フル出場した南野は、今月16日に迎える30歳の誕生日を前に、20代最後のタイトル獲得はならず。試合後には2026年北中米W杯に向かう25年を“信念を貫く”年とすることを誓った。

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 タイトルを逃すホイッスルが鳴り響くと、南野はピッチに倒れ込んだ。終盤まで格上のパリSG相手に0―0と耐えしのいだが、アディショナルタイムに失点して敗北。パリSGのイタリア代表GKドンナルンマが健闘をたたえて歩み寄っても、立ち上がることはできず。「結局、最後の最後に隙を突かれた。難しいですけど、受け入れなければいけない力の差はあった」と敗北を受け止めた。

 本来シーズン開幕前に行われるスーパー杯で、昨季リーグ王者及びフランス杯王者のパリSGと、同2位のモナコが対戦。29歳の南野が最年長という若いチームにとって、タイトルを奪えば大きな自信となるはずだった。トップ下で先発すると、前半43分には浮き球を巧みな胸トラップからシュートまで持ち込むなど好プレーを披露。しかし最後までゴールをこじ開けることはできなかった。

 今月16日には30歳を迎える南野。「チーム(モナコ)が特に若いから、ピッチの上での経験を伝えることであったりとか、リーダーシップを取ることは心がけてはいます。でもピッチの中でそんなに喋るタイプでもない。個人的に伝えたいことを伝えるとか、そういうことは増えた」と語る。アスリートにとっては大きな節目とも言える30歳を前に、チーム内での役割は変化しつつある。

 日本代表としては26年の北中米W杯へ向け、25年は出場権獲得、さらなる進化が求められる年。南野自身も昨季はモナコでリーグ戦9得点を決めたが、今季はここまで1得点と数字が伸びていない。それでも「自分がやってきたことを、信じてやり続ける。ゴールって難しいもので、1つのきっかけですごく変わったりする。今の自分に大事なのは、やり続けること。このまま頑張りたい」と語った南野。成長や進化は、変化の先だけにあるわけではない。確かな信念を胸に、新たな年のスタートを切った。

 〇…南野にとって、カタールは2022年W杯で「人生最悪」の敗北を味わった場所だ。1次リーグでドイツ、スペインに勝利に貢献したが、決勝トーナメント1回戦のクロアチア戦ではPK戦で1番手のキッカーをつとめて失敗。チームは敗れた。16年リオデジャネイロ五輪最終予選、24年アジア杯も含め、4度目となる“再訪”に「新鮮な気持ちでした。代表で来るのと、チーム(モナコ)でくるのは違う。町もいい雰囲気ですし、W杯の影響もあると思いますけど全てが新しくて。ポジティブな雰囲気しかないので、僕としてはすごく好きです」とカタールへの印象を語っていた。