◆全国高校ラグビー▽準決勝 桐蔭学園25―14国学院栃木(5日・花園) 準決勝が行われ、Aシードの桐蔭学園(神奈川)が国学院栃木との関東勢対決を25―14で制し、2019、20年度以来の2連覇に王手をかけた。先制を許したが、フランカーの申驥…

◆全国高校ラグビー▽準決勝 桐蔭学園25―14国学院栃木(5日・花園)

 準決勝が行われ、Aシードの桐蔭学園(神奈川)が国学院栃木との関東勢対決を25―14で制し、2019、20年度以来の2連覇に王手をかけた。先制を許したが、フランカーの申驥世(しん・きせ)主将(3年)らが3トライを奪い、準々決勝に続き逆転勝ちした。3大会ぶり7度目の優勝を狙う東海大大阪仰星(大阪第2)は、常翔学園(大阪第3)との大阪対決を制して決勝進出。決勝は7日14時から行われる。

 王者・桐蔭学園が底力を発揮して、連覇に王手をかけた。準々決勝までの3試合で被トライ「1」の国学院栃木から3トライを奪い、25―14で勝利。先制されても焦らず、後半は相手のお株を奪う堅守で失点0に抑えた。「地道な自分たちの基礎的なプレーを続けたことが勝因」と申主将。準々決勝の大阪桐蔭戦に続く逆転勝ちに胸を張った。

 前半7分、自陣で守備網を破られ、先制トライを献上。同16分には敵陣22メートル内のラインアウトモールから申が反撃のトライを挙げたが、8―7の同32分にも失点し、6点ビハインドで折り返した。それでも後半7分、SH後藤快斗が接点からボール持ち出しトライ。キックも決まり、15―14と逆転。同21分にはFB古賀龍人のトライで突き放して勝負を決めた。序盤の劣勢にも藤原秀之監督(56)は「まだ(選手は)キャリアを積んでいるところ。リスクは想定内」と落ち着き払っていた。

 前戦は大阪桐蔭とのAシード対決で26―14と勝利。自信をつける一方、情報共有用のボードには「勝って兜(かぶと)の緒を締めよ」と書かれた。3日の夕食後に2時間、4日は午前と午後に2時間ずつ、この日も朝に約1時間30分、みっちりとミーティング。各自が映像を確認し、互いの意見をぶつけ合った。「だいたいのプレーはミーティングでこうしようと決まっている」とFB古賀。緻密(ちみつ)な準備が逆転勝ちを呼んだ。

ジンクス破る 20年度にV2を達成した時の主将・佐藤健次(現早大4年)が、早大の桐蔭OBと一緒に大会前、激励に訪れた。中学時代から佐藤に憧れる申は、先輩が大学選手権決勝(13日、秩父宮)を控えるため「自分たちがまず、勝ちたいと思います」と吉報に意気込む。「自分たちの(高校)最後の試合になる。悔いがないように、全力で準備していきたい」。決勝では過去、大阪勢に3戦全敗。“ジンクス”を打ち破り、新たな歴史を刻む。(大谷 翔太)