帝京長岡(新潟)OBの阪神茨木秀俊投手(20)がプロ3年目を迎える25年の目標に1軍昇格、シーズン3勝以上を掲げた。24年は1軍登板はなかったが、2軍でローテーションに入り22試合登板7勝4敗、防御率3・64の成績を残した。着実に力をつけて…

帝京長岡(新潟)OBの阪神茨木秀俊投手(20)がプロ3年目を迎える25年の目標に1軍昇格、シーズン3勝以上を掲げた。24年は1軍登板はなかったが、2軍でローテーションに入り22試合登板7勝4敗、防御率3・64の成績を残した。着実に力をつけて臨む今季、戦力になってシーズンを乗り切る自信をのぞかせた。

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目指すラインは明確だ。「まず1軍で3勝以上。それを達成できたらもっと上を目指せる」。茨木は故郷北海道や母校帝京長岡の関係者、そしてファンの期待に応えるために「2年間の経験を生かす」と誓いを立てた。

年末に帰省してから筋トレに加えて連日ランニング。2月のキャンプインに備えている。「昨年のキャンプは走っていなかった。その影響で動きがいま1つだった」。ドラフト同期で同じ北海道出身の左腕、門別啓人(20)とともに1軍キャンプでスタートしたが、途中で2軍落ち。同じ間違いを繰り返すわけにはいかない。

2軍でローテーション入りし、7勝4敗で投球回数118回2/3の成績を残した昨年は「1年を通して投げられたのはよかった」と自信になった。公式戦での最速は148キロ。高校時代から目指していた150キロ台は到達間近。「真ん中に投げても打ち損じる打者はいる」と、向かって行く気持ちの大切さも学んだ。

ただ、「仲がいい」という門別には昨年、1軍デビューの先を越された。「自分がもどかしかった」。高3の夏の新潟大会決勝で投げ合った、日本文理出身のロッテ田中晴也(20)は昨季1軍デビューして1勝。リーグは違うが、「やはり気になる」と視線を外すわけにはいかない。そのロッテに本格派右腕の弟佑太(18=帝京長岡3年)が育成2位で入団。意識する存在が増えた。

藤川球児新監督(44)には22年のドラフト指名当時、YouTubeで直球の質を絶賛された。励みになった分、「結果を残さないと。監督が代わっても、やらなければならないことは同じ」と気を引き締める。

オフの野球教室、自分のサイン色紙を手にして喜び、笑顔でハイタッチをする子どもたちの姿が印象に残った。「いろいろな人に1軍で活躍する姿を見せたい」。3年目、テンションを高める材料はそろった。【斎藤慎一郎】

◆茨木秀俊(いばらぎ・ひでとし)2004年(平16)6月8日生まれ、北海道出身。手稲中央小2年から手稲ヤングスターズで野球を始め、3年から投手。手稲中では少年硬式野球の札幌東シニアに所属し、3年のときに全国選抜大会に出場。帝京長岡では1年生夏の県独自大会からベンチ入り。3年夏の新潟大会で準優勝。22年のドラフト会議で阪神の4位指名。182センチ、87キロ。右投げ右打ち。背番号48。