「プロレス・新日本」(4日、東京ドーム) 社長エースの棚橋弘至(48)がファイナルロード初戦を白星で飾った。来年の1・4東京ドーム大会で引退する棚橋は極悪軍団ハウス・オブ・トーチャー(HOT)のEVILとランバージャックデスマッチで一騎打…

 「プロレス・新日本」(4日、東京ドーム)

 社長エースの棚橋弘至(48)がファイナルロード初戦を白星で飾った。来年の1・4東京ドーム大会で引退する棚橋は極悪軍団ハウス・オブ・トーチャー(HOT)のEVILとランバージャックデスマッチで一騎打ちを行い、介入に悩まされながらも逆転勝ち。試合後、HOTに暴行される棚橋を同期で米AEW所属の柴田勝頼が救出し、5日・東京ドーム大会での対戦を要求。棚橋も受諾し、固い握手を交わした。IWGP世界ヘビー級選手権試合は、王者のザック・セイバーJr.が海野翔太の挑戦を退けた。

 23年12月に社長に就任した棚橋は、24年に入ると試合介入が目に余るHOTの制裁に乗り出し、抗争が激化していた。

 この日は選手が場外に落ちると、セコンドが強制的にリングインさせるランバージャックを採用。棚橋は負ければ引退を宣言したが、その後も昨年の12・23後楽園ホール大会でEVILが棚橋の右側頭部の髪をバッサリ切り落とすなど、HOTの暴挙はエスカレートする一方だった。

 この日もHOTはEVILが場外に落ちても戻さず、棚橋が落ちれば袋だたきとルールを完全無視。終盤、ハイフライフローを狙った棚橋をHOTのディック東郷がパウダーによる目つぶしで撃墜すると、EVILはダークネスフォールズからサソリ固め、ラリアット2連発とたたみかける。

 そして、トドメとばかりにEVIL(STO)をさく裂させたが、棚橋はカバーに来たEVILを首固めに捕獲し、逆転の3カウントを奪取。「勝つには勝った。でも、これじゃダメなんだ、悔しいけど。今の俺にできる精いっぱいを、これからも重ねてくけど」と振り返る辛勝だったが、即引退の危機は回避した。

 HOTは腹いせに総出で棚橋にストンピングを浴びせるが、ここで黒ずくめの男が棚橋を救出。フードを上げると、柴田の顔があった。

 柴田は「棚橋さん、もし疲れてなければ、明日試合しませんか?」と手を差し伸べ、棚橋も「柴田!俺は疲れたことがないのでやりましょう」と受諾してガッチリと握手。棚橋は「どんな形であっても、戦っておきたいという気持ちはあった。会社として考えます」と疲れを知らない男らしく、5日にスペシャル・エキシビションマッチとして実現することが決まった。

 ◆棚橋弘至(たなはし・ひろし)1976年11月13日生まれ、岐阜県出身。立命大法学部卒。99年デビュー。新日本プロレスをエースとして再建した立役者で、日本マット界を代表するプロレスラーの一人。IWGPヘビー級王座8回、G1クライマックス優勝3回、プロレス大賞MVP4回。2024年10月、26年1・4東京ドーム大会での引退を表明。必殺技はハイフライフロー。決めゼリフは「愛してま~す!」。愛称は「100年に一人の逸材」。身長181センチ、体重101キロ。