サッカーの第103回全国高校選手権大会は4日、千葉・フクダ電子アリーナなどで準々決勝があり、初出場の東海大相模(神奈川)が明秀日立(茨城)に2―1で勝ち、準決勝進出を決めた。流通経大柏(千葉)は今大会最多の8得点で上田西(長野)に快勝し、…

 サッカーの第103回全国高校選手権大会は4日、千葉・フクダ電子アリーナなどで準々決勝があり、初出場の東海大相模(神奈川)が明秀日立(茨城)に2―1で勝ち、準決勝進出を決めた。流通経大柏(千葉)は今大会最多の8得点で上田西(長野)に快勝し、6大会ぶりの4強。東福岡は静岡学園をPK戦で破って9大会ぶり、前橋育英は堀越(東京A)に1―0で競り勝って7大会ぶりに準決勝へ進んだ。

 11日の準決勝(東京・国立競技場)は東福岡―前橋育英、流通経大柏―東海大相模の顔合わせ。

■「つないで、つないで、決める」

 後半25分、勝ち越し点を奪った東海大相模の選手たちは、観客席の応援団に向かって拳を突き上げた。そこには昨夏の甲子園で8強だった野球部員も。選手権初出場で、その成績を上回る4強入りだ。

 「夢のようですね」と就任14年目の有馬監督。理想の攻撃からつかんだ逆転勝利だった。

 同点ゴールは前半40分。右サイドで短いパスを数本つないで相手の守備陣をおびき出し、スペースができたゴール前へクロス。MF沖本が頭で合わせた。MF高畑の決勝点は左サイドでのパス交換が起点となった。

 主将のMF長井は「つないで、つないで、決める。完璧に自分たちの良いところが出た」。部員は約180人。5チームに分かれて練習するため、それぞれピッチの4分の1しか使えない。狭いスペースを逆手に取って磨いてきた技術を存分に発揮した。

 準決勝から、舞台は国立競技場に移る。「サッカー部も強いんだぞ、と知ってもらえたと思う。あと二つも勝ちたい」(加藤秀彬)

■東福岡、隙なし

 東福岡が放ったシュートはCKからの1本のみ。平岡監督は「守備の頑張りだけでした」と苦笑いしたが、全員が隙のない集中力を見せた。

 自陣に押し込まれながら、許したシュートは8本しかない。球際に人数を割いて相手の攻撃を外に追い出し続けた。

 27大会前の初優勝以降、4強に進んだ3回はすべて優勝。しぶとさを発揮する舞台は整った。

■流通経大柏、8得点

 流通経大柏は攻撃陣が個々の良さを出して躍動し、8得点。中でも圧巻はMF亀田だった。前半28分に左から中に持ち出し、美しい弧を描いてGKの頭上を抜いた。前半終了間際には、鮮やかなミドルシュートで自身2点目。フットサル仕込みの球扱いと細かなステップワークが持ち味で、J2富山入りする技巧派は「ドリブルだけの選手じゃないと見せられたのがよかった」と誇った。

■前橋育英、2年生が躍動

 激しさと運動量で主導権を握った前橋育英が競り勝った。攻めながら点に結びつかずにいた後半15分、ボールの処理が乱れた相手DFからMF平林が球をかっさらって速攻。FWオノノジュの決勝点につなげた。殊勲の2年生は「隙あらば背後から迫って球を奪おうと考えていた。狙い通り」と納得顔。国立競技場での次戦に向け、「(守備でも攻撃でも)ガンガン仕掛けたい」。