阪神の才木浩人投手(26)が3日、新春からメジャーリーグへの思いを激白した。昨年12月の契約更改では将来的なMLB挑戦の思いを吐露。まずは日本で活躍することが大前提であることを理解しながら、米大リーグの野球への興味を赤裸々に語った。そのた…

 阪神の才木浩人投手(26)が3日、新春からメジャーリーグへの思いを激白した。昨年12月の契約更改では将来的なMLB挑戦の思いを吐露。まずは日本で活躍することが大前提であることを理解しながら、米大リーグの野球への興味を赤裸々に語った。そのためにも今季は圧倒的な数字を残し、沢村賞獲得を目標に掲げた。

  ◇  ◇

 -全タイトルを取りたいと言っている。沢村賞は難しい項目もあるが、クリアしたい項目は。

 「10個くらいありますよね、7個か。今で言ったら、200イニングとか10完投はなかなか難しい、セ・リーグやし。けど、去年投げた感じなら奪三振とか勝率とか勝利数、防御率はある程度いけるかなと。勝利数は運もあるから話は変わってきますけど、防御率とか奪三振は自分の力でできるところがある。そこはクリアしたいなっていうところはありますね。圧倒的な数字を残したら選ばれると思うので、頑張りたいとは思いますね」

 -26年の3月にはWBCも開催される。

 「オリンピックはいつでしたっけ?28年?僕、何歳?30?オヤジや、僕も。出たいですけどね。プレミア12も出たし、WBCもオリンピックも出たいなって気持ちはあるんで。そこは別に目標にしているわけではないですけど、今年のシーズンは大事だと思う。選ばれるように頑張りたいですね」

 -WBCは28歳、ロサンゼルス五輪は30歳になる年。選手としても脂が乗る時期に日本代表でもエースとして活躍したい。

 「それぐらいの位置にいたいですね。国際試合でも大事な試合を任されるとか、そういうポジションになれればいいなと思いますね」

 -日の丸を背負うことは普段と違ったか。

 「そうですね。特別感はすごいあるなっていう感じはしたっすけどね。プレッシャーとかは特にないですけどね。僕は僕なりのことやっていればいいかと」

 -シーズンの試合と代表戦の違いは。

 「あんまりないですね。一緒の感じです。イニングが短いから飛ばしていこうかなくらいです。80球ぐらいって聞いてたんで、いけるとこまでいくかみたいな感じですね。あとは変わってないですね」

 -憧れは持っている。

 「もちろん。憧れでは終わらせない場所ですね。思いますよね。一番うまい人が集まる場所ではあるし、そういうところで自分がどれだけできるのかとか、そういうところで勝負したいって思いはあるので。違う環境でもやってみたいから、行ってみたいですね。メジャーは」

 -幼少期からの夢でもあったのか。

 「一切ないですね。メジャーって何?漫画?みたいな感じでしたけどね」

 -いつから夢を抱き始めたのか。

 「アメリカはプロに入ったぐらいかなって感じですね。きっかけはないですよ。別に何か見たとかではないんで。普通にアメリカでやってみたいなと。ただの好奇心ですね」

 -プレミア12でもベネズエラ戦に先発し、米国との試合もあった。野球の違いを感じることは。

 「フィジカルはシンプルに違うなと思いました。野球の違いは本当にシンプルというか、ただぶつかるというか。バッターはホームラン、ピッチャーは三振っていう感じに僕には映ったかな。2次リーグの時のアメリカの左ピッチャーは、日本っぽいタイミングを外すとかうまいピッチングをするなと。他のバッターとかは空振りしようが、フルスイングしてくるとか。こっちがカーブを投げて、タイミングを外した後に真っすぐをマン振りで振ってくるとか。率は低いんだろうけど、当たったら飛んでいく。プレミア12だけじゃなくて、アメリカとかメジャーの試合を見ていてもそれは多いし。見てて思うんで、ポテンシャルが高いというのはすごい感じますね」

 -そういう野球に魅力も感じる。

 「魅力で言ったら、向こうの方があるんじゃないですかね。フィジカルもそうだし、この人すげーって思う人が多いと思うから。飛ばすなとか球速いなとか。そういう意味では、ポテンシャルとかはすごいなと思いますけどね」

 -200イニングは目標の一つでもあるのか。

 「いや、いいっす。いないでしょ。18年の菅野さん以来?へぇ。菅野さん、投げたんや。戸郷でも、去年は180イニングとかですよね。セ・リーグは難しいしな。チャンスで打席が来たら代打なんで、クソッて思いながら。それも場面的な運じゃないですか。そういうところで回ってこない運もあるだろうし。この人持っているなと。運とは言いつつ、運も引き寄せるじゃないけど、運を寄せられるような選手になりたいなと思うんで」

 (続けて)

 「そういうところも目指したいなとは思うんですけど。身体的に考えても相当、負担はかかると思うんで。なにがなんでも200イニングいきたいとかはないんですけど、僕の中で160イニングはボーダーラインにしているので。去年は超えられたんで、今年も超えたいなとは思いますけどね」

 -運つながりで、おみくじとかも引くタイプなのか。

 「おみくじ、あんまり信じないタイプですね。引きますよ。去年はなんやっけな、中吉とか。大吉ではなかったと思います。内容は全部忘れてますね」

 -運を引き寄せるためにやっていることは。

 「難しいですね。ゴミを拾うとか、そういうのじゃなくて。備えるとか準備するっていう、そういうのが大事やなと思うので。運が悪かったなと思うのは備えていたら防げたよなと思うんで。こうなったらこうなるなと。うまく備えられていたら、うまくいくというかラッキーって思えたりとかが増えるかなと思う。準備を怠らないとか、そういうのはすごい大事かなと思いますね」

 -一発勝負の違いなどは。

 「あんまり負けられないとか。負けられないとは思ってないけど、結果のことを考えてもしょうがないんで。結果なんて誰にも分からないから。そんなことを考える暇があるなら、球投げとけよみたいな感じなんで。打たれたら打たれた、抑えたら抑えたで、ちゃんと準備ができたのかどうかの方が大事だと思う。試合の当日どうなるとか、やってる僕らですら分からないですし、相手がいることで、打たれるか抑えられるかも分からない。あんまりそこを考えても。しっかり自分ができる範囲のことをできるかどうかが大事かなと思いますね」

 -神戸出身。今年は阪神・淡路大震災から30年の年になる。

 「映像で見たことしかないんですけど。震災学習は一日そういう日もあったんで。映像を見て、被災者の方が来て話をしてもらって。やっぱり僕のプレーを見てもらって、1人でも多くの人に勇気を与えられるように頑張りたいなと思いますね」

 ◇才木 浩人(さいき・ひろと)1998年11月7日生まれ、26歳。兵庫県出身。189センチ、88キロ。右投げ右打ち。投手。須磨翔風から2016年度ドラフト3位で阪神入団。20年11月に右肘のトミー・ジョン手術を受け、同年12月に育成契約。22年5月に支配下再登録。昨季は自身初の2桁勝利となる13勝をマーク。11月のプレミア12で日本代表に初選出された。