◇第101回東京箱根間往復大学駅伝競走復路(3日、神奈川・箱根町芦ノ湖スタート~東京・千代田区大手町読売新聞社前ゴール=5区間109・6キロ) 上位10校に与えられるシード権は最終10区まで大混戦だった。終盤まで8位から11位の4チームが並…

◇第101回東京箱根間往復大学駅伝競走復路(3日、神奈川・箱根町芦ノ湖スタート~東京・千代田区大手町読売新聞社前ゴール=5区間109・6キロ)

 上位10校に与えられるシード権は最終10区まで大混戦だった。終盤まで8位から11位の4チームが並走。11位の順大は、圏内10位・帝京大に7秒差で涙をのんだ。

 目の前で夢が散った。順大の10区・古川達也(2年)は、10位でゴールした帝京大の背中を見て、うつむいた。その7秒後に走り終え、仲間に抱えられると肩を震わせた。2年ぶりのシードに届かぬ総合11位。「悔しい。勝てる好機が回ってきたが、逃してしまった」。10位とは、歴代4位タイとなる僅差。昨年10月の予選会では最小1秒差の10位で出場権を得て笑ったが、本戦では7秒差に涙した。

 往路13位から巻き返した。11位でタスキを受けた7区の吉岡大翔(2年)が、区間2位タイの力走でシード圏内の8位まで押し上げた。10位で耐えて挑んだ10区は、東洋大、東京国際大と並走し、序盤で帝京大に追いつくと向かい風の中、4校のうち、3校がシードを得る激戦。残り1キロで東京国際大が抜け出し、他の2校も続く。古川も加速したが、「スピード負け。覚悟を持っていけなかった」と振り切られた。

 かつて5区で大活躍した今井正人氏(40)が、昨春からコーチに就任。「山の神」を育てるだけでなく「駅伝の心得」を伝授。長門俊介監督(40)も「チームはすごく上向き」と成長を実感する。

 優勝11度を誇る名門復活を感じさせる復路の力走は、下級生が担った。「未来につながる駅伝。1秒で救われたこと、7秒の悔しさを感じながら励みたい」と指揮官。古川も「箱根でリベンジしたい」と涙をぬぐった。(宮下 京香)