全日本バレーボール高校選手権大会(通称・春高バレー)は5日、東京体育館で開幕する。同日に1回戦が行われ、男子の浜松修学舎は瀬戸内(広島)と対戦。3年で唯一主力のアウトサイドヒッター扇谷暉琉主将がけん引し、初出場だった昨年の8強超えを目指す…

 全日本バレーボール高校選手権大会(通称・春高バレー)は5日、東京体育館で開幕する。同日に1回戦が行われ、男子の浜松修学舎は瀬戸内(広島)と対戦。3年で唯一主力のアウトサイドヒッター扇谷暉琉主将がけん引し、初出場だった昨年の8強超えを目指す。女子では12年連続17度目出場の富士見が、初戦で健大高崎(群馬)に挑む。

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 修学舎の扇谷暉がエースとして真価を発揮する。同校は中高一貫。1学年下には22年に全中優勝を達成したメンバーが多く、主力となっている。頼もしい後輩たちの中で昨年11月の県大会決勝はチーム最多21得点を挙げた。2年連続の春高出場と念願の順大進学も決まり、「僕が修学舎史上、一番成功している」と笑う。高校生活の締めくくりに向けて「(準決勝以上で使用される)センターコートに立ちたい」と目を輝かせた。

 2年時の春先には挫折があった。1学年下の選手たちが入学し、県総体でレギュラーを奪われた。「格が違った。焦ったけど、より本気でバレーに向き合わないと」と自主練習に励んだ。先発奪取のためパワーアップに取り組んだ。筋トレに励み、夏合宿では力強いスパイクを連発。森貴明監督に「覚醒した」と言わしめるまでに成長した。

 昨年は初出場で8強入りと旋風を巻き起こした。その後も3月の全国私立高校選手権、8月の全国高校総体16強でハイレベルな経験を積んだ。「昨年よりもチームの力はある」。自信を持って、仲間と最後の舞台に臨む。

(伊藤 明日香)

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 県最強女王の“谷間世代”が意地を見せる。富士見の千葉光姫主将(3年)は、昨年の過去最高8強を上回ることで「集大成を見せたい」と意気込んだ。

 1学年上には世代別日本代表がいて、下の学年は福元さやかを筆頭に実力者ぞろい。3年生は3人いるが、主力は千葉のみ。苦悩が多かった3年間を「自分らの代は力がない。足を引っ張らないように食らいつくだけだった」と振り返った。

 昨年の全国ではピンチサーバーで起用され、今年はリベロとして臨む。小、中学時代はエースアタッカーだったため、昨年4月から守備専任のポジションに入ると戸惑いを感じた。だが今は「ボールを落とさなければ負けないのがバレー。縁の下の力持ちとして頑張りたい」。総体後も引退せず支えてくれた同学年の仲間の思いもコートでぶつける。