◆全国高校ラグビー▽準々決勝 常翔学園24―19大分東明(3日・花園) 準々決勝4試合が行われ、常翔学園(大阪第3)は大分東明を24―19で振り切って5大会ぶりの4強入り。東海大大阪仰星(大阪第2)との大阪勢2校がベスト4に残るのは2017…

◆全国高校ラグビー▽準々決勝 常翔学園24―19大分東明(3日・花園)

 準々決勝4試合が行われ、常翔学園(大阪第3)は大分東明を24―19で振り切って5大会ぶりの4強入り。東海大大阪仰星(大阪第2)との大阪勢2校がベスト4に残るのは2017年度以来、16度目(花園開催となった1962年度以降)。抽選の結果、5日の準決勝は国学院栃木―桐蔭学園、東海大大阪仰星―常翔学園となった。

 逆転トライを決めた常翔学園のWTB正脇俊輔が絶叫した。「めちゃくちゃ気持ちよかったです!」。17―19の後半9分。相手ボールのスクラムで反則を誘った後、左ラインアウトからパスをつなぎ、左中間にトライをねじ込んだ。前半29分には、中学時代に陸上部で磨いた50メートル走5秒9の俊足で約50メートルを独走。3試合連続トライで流れを引き寄せた。「みんなでつないだパス。勝ちたい一心だった」と、笑みを浮かべた。

 花園優勝5度の名門は、22年夏に部員の不祥事、2度の監督交代など、チームは危機的状況にあった。3年生は1年時からつらい思いを経験したが、この日、2トライのNO8井本章介主将が「楽しんで、自分たちのラグビーをしよう」と声をかけ続けた。23年11月に就任した白木繁之監督(36)は「井本が精神的支柱。常翔の心臓」と一目置く。メンバーも「頼りになるし、面白い。みんなの中心にいる」と、井本がプレーと言葉でチームを引っ張ってきた。

 5日の準決勝は、東海大大阪仰星と対戦する。3大会ぶりに雪辱を果たす時が来た。井本は「今大会は毎試合、相手が勝つと(SNSで)書かれていて、下馬評を覆してきた。力がないと思われている。次も倒せたら」と鼻息を荒くした。勢いのままに、12大会ぶりの優勝まで駆け抜ける。(森脇 瑠香)