広島・小園海斗内野手(24)が新春インタビューに応じ、キャリアハイを更新する打率3割2桁本塁打と、チーム7年ぶりの優勝を目標に掲げた。昨季は自身初の全試合出場を果たすなど、中心選手として飛躍の1年を過ごした。高卒7年目を迎える今季。目標で…

 広島・小園海斗内野手(24)が新春インタビューに応じ、キャリアハイを更新する打率3割2桁本塁打と、チーム7年ぶりの優勝を目標に掲げた。昨季は自身初の全試合出場を果たすなど、中心選手として飛躍の1年を過ごした。高卒7年目を迎える今季。目標である3割到達のカギや、2026年に開催されるWBCへの思いなどを語り尽くした。

  ◇  ◇

 -改めて昨季を振り返って点数をつけるなら。

 「70点ぐらいですかね」

 -残りの30点は。

 「チームとしては優勝できなかった。自分は守備でチームに迷惑をかけてしまったなと反省してます」

 -目標だった自身初の全試合出場を達成。

 「完走できたのはよかったです。全部スタメンで使ってもらえましたし、いい経験になりました」

 -プロ初の4番に座り、61打点はチームトップだった。

 「チャンスで回ってくることが本当に多かったです。その中で素直にこの数字が残せたのはよかった。もっと長打が絡めば打点も稼げたかなと思いますけど、それなりには仕事ができたかなと思います」

 -打率は・280だった。安打数で見るとあと11本で3割に到達していた。

 「数字で見れば意外と近く聞こえますけど、実際3割はなかなか難しい。いろいろかみ合って届く数字かなと思います」

 -昨季、セ・リーグで3割到達者はわずか2人。3割打者の価値も高まっている。

 「3割打ちたいですね」

 -3割打つために必要なことは。

 「積極的に打ちにいくスタイルの中でどれだけ四球がとれるか。去年は結構四球取れましたけど、まだ少ない。とにかく打率を下げないようにするのがカギかなと。あとは一塁まで全力で走ることも大事。1試合ずつ全力で、貪欲にやることが大事かなと思います」

 -安打数(151)でキャリアハイを更新した一方で、本塁打数は2本にとどまった。

 「やっぱり流れを変えられるのは長打。走者がいる場面で、大きいのが打てると打点も増えていくので、長打を打ちたい気持ちはありますね」

 -長打を増やしたい?

 「増やしたいですね。本塁打は10本以上打ちたいです。うまくいくか分からないですけど挑戦したい。だめだったらだめでまた考えればいいかなと」

 (続けて)

 「監督に『もっと打てるポテンシャルはある』と言ってもらえている。今でも引き出し自体はたくさんあるんですけど、新たな武器がほしいので挑戦したいです。長打が打てるスイングをつくっていきます」

 -具体的に。

 「手だけでバットを操作するんじゃなくて、体で打ちにいくイメージ。投手も球が速くなってキレもどんどん増しているので、体の勢いを利用して打てる形がいいのかなと思います」

 -今季は背番号を「5」に変更して臨む。

 「自分で選びました」

 -背番号「1」を希望していた。

 「つけたかったですけどね(笑)。誠也さんの「51」から「1」という流れもあったので。でも「5」も気に入ってます。人生で初めてつける番号なので楽しみです。あまり深くは意識していないですけど、自分の番号にできるように頑張りたいです」

 -今季が7年目。まだ優勝を経験していない。

 「昨季も優勝に手が届きそうなところまできて、逃してしまった。入団してからまだ優勝を経験できていないのは悔しい。優勝を狙えるチームだと思いますし、チャンスはある。ビールかけできるように1年間走り抜けたいと思います」

 -盗塁は自己最多の13個をマークした。

 「投手の癖や配球の傾向が出ていれば、走れる準備は絶対にやっている。単純な足の速さと捕手の肩との勝負ではアウトになるスポーツなので。勇気を持ってスタートを切れればセーフになれる。まだ失敗が多かったので、成功数を増やしたいです」

 -失敗した時は次にどう生かしていくのか。

 「失敗には根拠がないと意味がない。何も考えずに失敗するのは自分の中ではなしかなと。反省や成長がないので。考えた中での失敗はこうやったほうがよかったかなみたいな収穫がある。そういう反省ができる失敗ができればいい。ただ単に失敗していいだろうというのはないですね。納得した失敗なら自分の中でオッケーかなと」

 -積極性と慎重さを両立させる難しさは。

 「考え方はいっぱいあると思うので。その日その日の状態を見て、使い分けていければいいのかなと思います。悩むことはいいこと。良い悩み方ができるようにしたいです」

 -4番を経験したのも初だった。

 「打順はあまり関係ないです。今季はまた新しい外国人も加入しますし、そこが中心になってくると思う。どの打順に入ろうが、臨機応変に対応できたらいいかなと思います」

 -シーズン途中に遊撃から三塁にコンバート。

 「オープン戦からずっとショートだったので難しさはありましたね。なかなか対応できなくて自分のことを『人間だな』って思ってました」

 -三塁を守ることで学んだことは。

 「サードになって、より細かいプレーに関われた。バント処理やサインプレーはショートよりも頭を使いますし、そういう面ではすごく勉強になりました。違う角度で野球をできたことはよかったかなと思います」

 -昨秋のプレミア12では二塁手でベストナインを獲得。米国戦では1試合2本塁打を放った。

 「1試合2本は打ったことがなかったので自分でもびっくりしました。いい感じでバットを出せた。長打を打てるスイングという意味では、引き出しが増えたのかなと思います」

 -2026年3月にはWBCが控えている。

 「WBCは出たいですね。すごい選手が多い中で活躍できたらすごいですし、世界のレベルを自分の肌で感じたい。本気の世界に対して自分がどのぐらい通用するのかを試したいです」

 (続けて)

 「メジャーにも興味はありますけど、今の自分のレベルでは全然届いていないかなと。まずはカープで活躍して、『メジャーに行け』と言ってもらえるような選手になりたいです」

 -23年の前回大会の優勝を見て刺激を受けた?

 「受けました。アメリカを倒して世界一になって、大谷さんや(鈴木)誠也さんがシーズンでも活躍されて、日本の野球の価値がすごい上がっている。自分もWBCに出て、その波に少しでも貢献できるような選手になれればいいのかなと思います」

 -背番号「5」は西川(オリックス)が背負っていた。

 「1年目からすごいなこの人と思って、ずっと見てましたし、こうなりたいなと背中を追ってきた。それと同時にこの人を抜かしたいとも思っていた。背番号「5」に決まった時に連絡したら『やっとか』と笑いながら言ってくださいました。あの方に負けないようにしたいです」

 -ここから目指していく選手像は。

 「あんまり数字は意識していない。結果は最後についてくるので。まずは練習して、結果を出すことに集中する。1試合1試合を全力でやりきって、最後、終わって良い成績が残せていれば最高かなと思います」

 ◇小園 海斗(こぞの・かいと)2000年6月7日生まれ、24歳、兵庫県出身。178センチ、91キロ。右投げ左打ち。内野手。報徳学園3年時には高校生遊撃手ナンバーワンの評価を受け、4球団競合の末、18年度ドラフト1位で広島入団。1年目の19年6月20日・ロッテ戦(マツダ)でプロ初打席初安打をマーク。通算では524試合で打率・274、534安打、24本塁打、181打点。