「全国高校ラグビー・準々決勝、桐蔭学園26-14大阪桐蔭」(3日、花園ラグビー場) 準々決勝4試合を行い、昨年優勝の桐蔭学園(神奈川)は大阪桐蔭(大阪第1)とのAシード対決で逆転勝ちした。Bシード同士の対決では、東海大大阪仰星(大阪第2)…

 「全国高校ラグビー・準々決勝、桐蔭学園26-14大阪桐蔭」(3日、花園ラグビー場)

 準々決勝4試合を行い、昨年優勝の桐蔭学園(神奈川)は大阪桐蔭(大阪第1)とのAシード対決で逆転勝ちした。Bシード同士の対決では、東海大大阪仰星(大阪第2)が昨年準優勝の東福岡(福岡)を下し、常翔学園(大阪第3)は大分東明(大分)に競り勝った。また、Bシードの国学院栃木(栃木)はAシードの石見智翠館(島根)を完封で下した。抽選の結果、5日の準決勝は国学院栃木-桐蔭学園、東海大大阪仰星-常翔学園に決まった。

 桐蔭学園が“桐蔭対決”を制し連覇へあと2勝とした。前半3分までに2トライを喫し0-14。しかし同16分、プロップ石原遼(3年)のトライで反撃すると、後半4分にSO丹羽雄丸(たける)=3年=が味方のパスを受けて独走し中央へトライ。コンバージョンキックも成功させ同点に追いついた。直前にペナルティーキックを失敗していたが、「ミスをしたらトライを取る気持ちで」と前向きなプレーを貫いた。

 大阪市出身で、相手チームには中学までのラグビー仲間が大勢在籍する。丹羽は桐蔭学園のスタイルに憧れ「優勝するために桐蔭学園へ来た」と、故郷を離れ寮生活。しかし昨年12月、全国大会目前で左足の前十字靱帯(じんたい)と半月板をケガして手術し、復帰に半年を要した。「ラグビーを離れたい、ボールも見たくないくらい落ち込んだが、寮生の仲間や家族の支えが力になった」と粘り強く治療とリハビリに専念。現在は「ほぼ100%」と動きが戻り、この日も風上に立った後半に得意のキックを効かせた。

 選抜大会、ワールドユースを制した大阪桐蔭に2大会とも敗れていたが、三度目の正直となった花園で勝利。丹羽は「僕は春の試合はケガで出ていないので、自分が出たら絶対勝ってやると思っていた。大阪桐蔭だけには負けたくない」と3冠阻止の気持ちは人一倍強い。

 藤原秀之監督(56)は「丹羽のゲームメークもよくなった」とたたえ、「(立ちはだかるのが)大阪桐蔭さんじゃなければ、ここまで強くならなかった」とチームの成長に目を細めた。それでも「目標は大阪桐蔭に勝つことではない」と、頂点までギアを上げ続ける。

 ◇丹羽雄丸(にわ・たける)2006年10月1日生まれ、18歳。大阪市出身。小学生の時に生野ラグビースクールで競技を始める。東生野中でラグビー部に所属し、大阪府選抜に選出。173センチ、72キロ。