イチロー氏は「他のNPB打者たちの道を整えた」 2025年の米国野球殿堂入り候補者に挙がっているイチロー氏。候補者入り初年度での選出は確実視され、史上2人目の満票受賞なるかに注目が集まっている。カナダメディア「ザ・ スコア」は、投票資格があ…
イチロー氏は「他のNPB打者たちの道を整えた」
2025年の米国野球殿堂入り候補者に挙がっているイチロー氏。候補者入り初年度での選出は確実視され、史上2人目の満票受賞なるかに注目が集まっている。カナダメディア「ザ・ スコア」は、投票資格があるトラビス・ソーチック記者の記事を掲載。「他のNPB打者たちの道を整えた」と評し、殿堂入りに「ふさわしい」と称えている。
記事はまず、打撃、走塁、守備、投球を総合的に評価して選手の貢献度を表す指標「WAR」について言及。イチロー氏のWARは60で、殿堂入りしている右翼手の平均WAR73を下回っていると指摘した。その理由としてイチロー氏のメジャー入団が27歳と遅かったことを挙げ、「(メジャーに)来るやいなや野球史上最も特筆すべきシーズンだった2001年には、ア・リーグMVPとルーキー・オブ・ザ・イヤーの栄誉に輝いた」と説明した。
さらに「彼はルーキーとして球界トップの242安打を放ち、ア・リーグトップの打率.350を残したことで、日本のスター打者がメジャーで活躍する能力についての疑念を全て消し去った」と解説。「この先駆者はキャリアのかなり終盤まで衰えなかった」と続け、
「他のNPB打者たちの道を整えたことだけでも(殿堂入りを)検討に値するが、プレーも最新から伝統的な評価方法までのどれを見ても、(殿堂入りに)ふさわしい」と絶賛した。
また、「彼は米殿堂入りの伝統的な指標である3000安打に届き(3089安打)、MLBと日本を合わせて28シーズンあまりを送った中で4367安打を生み出したことになり、NPBとMLBを合わせた安打数では歴代1位となる」と輝かしいキャリアを改めて紹介。「走塁も素晴らしく、右翼手では歴代屈指の肩の持ち主だった。資格を得た1年目の候補としては殿堂入り間違いなしだ」と主張している。
米野球殿堂入りは、メジャーで10年以上プレーした選手が引退から5年で資格を得る。全米野球記者協会に10年以上連続で所属する記者による投票で決定。有資格者から最大10人まで投票でき、全投票数の75%以上を集めると殿堂入りとなる。すでに投票は締め切られている。MLB公式サイトなども活用するトラッキングサイト「Baseball Hall of Fame Vote Tracker」では投票結果が公開されており、2日(日本時間3日)時点でイチロー氏は100%を維持している。
過去の満票選出は2019年のマリアノ・リベラ氏だけで、イチロー氏が満票となれば野手では初となる。投票結果は1月21日(同22日)に発表される。(Full-Count編集部)