<アメリカンフットボール日本選手権ライスボウル:パナソニックインパルス34-27富士通フロンティアーズ>◇3日◇日刊スポーツ新聞社ほか後援◇東京ドームパナソニックインパルスが、悲願のライスボウル制覇を成し遂げた。過去3年連続で敗れていた富士…
<アメリカンフットボール日本選手権ライスボウル:パナソニックインパルス34-27富士通フロンティアーズ>◇3日◇日刊スポーツ新聞社ほか後援◇東京ドーム
パナソニックインパルスが、悲願のライスボウル制覇を成し遂げた。過去3年連続で敗れていた富士通との4年連続同一カードを34-20で制して、ついにリベンジ。16年以来9季ぶり5度目の日本一になった。
先制は富士通だった。第1クオーター(Q)にQB高木翼がタッチダウン(TD)ラン。一方、今年こそ宿願を果たしたいパナソニックも追いつく。第2Q、エースRB立川玄明が力強く中央を破り、エンドゾーンに駆け込んだ。
その後は、FGを富士通が1本、パナソニックが2本。13-10でパナソニックがリードして前半を折り返した。
後半は、より拮抗(きっこう)した試合になる。まず富士通がFGを決めて13-13。さらにビッグプレーが飛び出した。富士通LB山岸明生がQBサック。荒木優也がパスを投げようとしたところをファンブルさせ、リカバー。攻撃権を獲得した。RBトラショーン・ニクソンが走ってきっちりTDにつなげ、この試合2度目のリードを奪った。
最終の第4Qで、再び追う立場に回ったパナソニック。火がついたのは、ここからだった。この日本一決定戦で、過去3年連続の敗戦。攻撃陣が結果を出し切れなかったが、RB立川の49ヤードランで大きく前進すると、最後はQB荒木が名誉挽回の6ヤードTDラン。20-20に追いついた。
さらに、スペシャルプレーで畳みかける。荒木、立川から再び荒木へボールを戻し、最後はRB藤本拓弥に投げて、がら空きにした右サイドをゴール前2ヤードまで爆走した。最後はRBミッチェル・ビクタージャモーが締めて27-20。再逆転した。
富士通も4連覇へ譲れない。日本代表のエースでもあるQB高木のパス攻撃に託したが、残り3分強、至近距離でパナソニックJBジャボリー・ウィリアムスにインターセプトTDを食らって、リードを14点に広げられた。
諦めない富士通は残り2分を切ってから1TDを返す。高木からWRサマジー・グラントへTDパス。7点差に迫ったが、最後のオンサイドキックが反則の末に相手ボールとなった。
最後はパナソニックがビクトリーフォーメーションで、ニーダウン。場内一帯となって時間消化のカウントダウンをし、頂点に立った。
社会人と学生の王者対決から2021年、Xリーグ同士の頂上決戦に変わって4季目。パナソニックの念願だった。早稲田大(早大)OBの荒木延祥氏が昨季限りで監督を退任。置き土産として、前年やり遂げたのが、司令塔のQBを本場米国の選手から荒木中心の日本人に変えたこと。強烈な個に頼らず、チーム全体で底上げを図り、攻守に何人も主役が生まれた。高山直也新監督が受け継ぎ、就任1年目から結実させた。【木下淳】
▽高山監督「みんなを誇りに思います。前任の荒木さんが作り上げたチームが、成し遂げたこと。荒木さんに感謝したい。インパルス・ファミリーの皆さん、お待たせしました。おめでとうございます! これから勝ち続けられるチームにしていきたい」
主将LB青根奨太「入社して3年間、本当に申し訳ない結果でした。うち2、3年目と主将してきて、この光景を見るためにやってきたんだなと思いました」
▽MVPのQB荒木「ありがとうございます! ずっと富士通さんに負け続けてて、今年こそ日本一を取りたいと。(QB1人体制になり)石内さんが引っ張ってくれて、新たに入ってくれた小林とも話し合った。QBコーチも含め、守備にも攻撃にも、全員に感謝したい」