「箱根駅伝・復路」(3日、箱根町芦ノ湖駐車場~大手町) 東洋大が9位となり、継続中の記録としては最長の20年連続シード権を獲得した。最終10区、4校のデッドヒートを制した東洋大・酒井監督は「まさか、なってほしくない展開だった」と振り返った…

 「箱根駅伝・復路」(3日、箱根町芦ノ湖駐車場~大手町)

 東洋大が9位となり、継続中の記録としては最長の20年連続シード権を獲得した。最終10区、4校のデッドヒートを制した東洋大・酒井監督は「まさか、なってほしくない展開だった」と振り返った。

 10区を託した薄根大河(2年)には「わざと早めに入らせた。自重すると追いかけてくるよ」と指揮官。だが他校もペースをあげて、最後の最後までもつれる展開になった。

 「これは正直きついなと思いました。ラスト勝負したら後れを取るので。なってほしくない展開がきて、嫌な予感が当たったなと」と酒井監督。それでも薄根が競り合いに勝ち「各校がシード権に対する執着心を感じた。あそこまでいくとなかなか仕掛けられない。本人も怖かったと言ってたけど、走れなかったとか、チームのためとか、ラストスパートが苦手な彼の背中を押したのかな」と言う。

 連続シード権獲得は大台の20年となったが「シード権のラインが高くなったなと。優勝タイムも高かったですが、レベルが上がってきたのかな」と酒井監督。「安堵(あんど)感はありますが、それだけシードを確保する大変さもわかったと思うので。これをやったからではなく、進化をしなきゃいけない」と前を向く。

 鉄紺のプライドが緊急事態でもチームをつなぎとめた。往路の当日エントリー変更で1区の石田洸介(4年)、2区の梅崎蓮主将(4年)が外れた。石田は練習が積めておらず、梅崎は突発性のアキレス腱痛で欠場が決まったのは往路前日の1日。2区終了時点で一時19位に沈む場面もあった。それでも当初復路に投入予定だった3区の迎暖人(1年)が区間8位の走り巻き返すと、4区の岸本遼太郎(3年)が区間3位の力走で9位まで順位を上げ、5区宮崎優(1年)も踏ん張って、9位で往路を終えた。

 復路は6区西村真周(3年)が区間9位、7区内堀勇(1年)が区間12位、8区網本佳悟(3年)が区間2位で繋ぎ、シード圏内に踏みとどまっていた。