初めての綱とりに挑む大関琴桜(佐渡ケ嶽)が3日、千葉県松戸市の部屋で今年初めての稽古を行った。 幕下、十両・琴栄峰を相手に12番相撲を取った。相手にアドバイスを送りながら、部屋頭として胸を貸した。「いつも通りです。大きな目標に向かって、こ…

 初めての綱とりに挑む大関琴桜(佐渡ケ嶽)が3日、千葉県松戸市の部屋で今年初めての稽古を行った。

 幕下、十両・琴栄峰を相手に12番相撲を取った。相手にアドバイスを送りながら、部屋頭として胸を貸した。「いつも通りです。大きな目標に向かって、ここからが本番」と意気込んだ。「まとめると“泥くさく行こうぜ”ということ」とテーマを掲げた。

 昨年は初場所後に大関に昇進。九州場所で初優勝を飾った。来場所は優勝、優勝に準ずる成績での横綱昇進を目指す。祖父で先代師匠の元横綱琴桜は1972年の九州場所、翌年の初場所で連続優勝を遂げ、綱とりに成功している。

 元日には松戸市内の松戸霊苑で眠る先代の墓前で、生前に誓った綱とりを改めて誓ったという。

 父で現師匠の佐渡ケ嶽親方(元関脇琴ノ若)は墓前で「先代に2代目琴桜をここで土俵入りさせます」と誓ったという。墓石の前は広く「先代に遺言のように、横綱を育てろ、と言われていたので、ここで土俵入りできるスペースをつくりました」と語った。

 場所に向け、佐渡ケ嶽親方は「先代との約束を守る、というのが心にあるのでは」と琴桜の心境を思い「緊張している様子はないし、本人もなるようにしかならない、と思っているのでは。私も綱とりのことは言いません」と語った。

 墓前での横綱土俵入りについて、水を向けられた琴桜は「自分は自分なので、まず挑戦してしっかりつかみ取らないと。目標は変わらない。それが達成できてから、いろんなものがついてくる。“たられば”ではね」とキッパリ。土俵に集中していた。