「箱根駅伝・復路」(3日、箱根町芦ノ湖駐車場~大手町) 2年ぶりの本戦出場となった東京国際大は8位に滑り込み、3年ぶりのシード権を獲得した。11月に亡くなった横溝三郎監督に捧げるレースとなった。 中村勇太監督代行は「シード権をとって終わる…
「箱根駅伝・復路」(3日、箱根町芦ノ湖駐車場~大手町)
2年ぶりの本戦出場となった東京国際大は8位に滑り込み、3年ぶりのシード権を獲得した。11月に亡くなった横溝三郎監督に捧げるレースとなった。
中村勇太監督代行は「シード権をとって終わるのが大きい課題だと思っていた。11月に横溝監督が亡くなった。今年のチームは横溝監督のチーム。今年のチームでシードをとって来年に繋げることが横溝さんへの恩返しとチームで話していた。最後にいいお土産を用意できた」と、天を見上げた。監督車からの声かけにも横溝さんの名前を出したといい。「横溝さんがみてるぞという声かけもした。喪章をつけることでパワーをもらって走れた選手もいたと思う。とりましたよ。やったよって言いたいですね」と、うなずいた。
往路11位からスタートし、6区終了時点で10位、7区で9位、8区で12位、9区で11位とし烈なシード権争いを繰り広げた。10位と21秒差でスタートした10区の大村良紀(3年)は序盤からペースを上げてシード圏内に。4チームによる8位集団につき、1チームのみがシード落ちするサバイバルレースで、残り700メートルで大村が抜けだし、そのままゴールを駆け抜けた。
前回大会の予選会は3秒差で涙をのんだが、今回は8位に入って本戦切符を獲得した。その後、横溝三郎監督が11月14日に死去。チームは大きな悲しみに包まれたが、箱根に向けて一致団結。中村勇太監督代行は「頼りにしていた選手もたくさんいた。個人個人で大きいショックはあったと思うけど、大きい目標が残されている。集中を途切らすことなくできている」と話していた。
中村監督代行は、横溝氏について「厳しさがありつつも温和な方。特に大事にしていたのはうまくいってない選手こそ声かけをしないといけないと常々言っていた」とぬくもりのある監督だったと惜しむ。「本当にいろんな話はしていただきましたけど、いい結果がでた時に、努力が報われた時に、『いや~良かったね~』ってにこやかな姿がいつまでも忘れられない。今回も横溝さんに『良かったね』と声をいただけるような結果を目指したい」と天国にささぐ箱根駅伝にすると誓っていた。
グラウンドの横にあるトレーニングセンターの中に横溝監督の写真を飾っており、チームは練習前後に手を合わせているという。「許可も得られれば監督の写真も一緒に車に乗りたい」。選手たちは左胸に喪章を付けて走った。指揮官の思いを乗せて挑んだ箱根路だった。