第103回全国高校サッカー選手権大会は2日、東京都世田谷区の駒沢陸上競技場などで3回戦があった。群馬県代表の前橋育英は帝京大可児(岐阜)に3―2で勝利し、8強入りした。前橋育英は4日午後2時10分、千葉市中央区のフクダ電子アリーナで行われ…
第103回全国高校サッカー選手権大会は2日、東京都世田谷区の駒沢陸上競技場などで3回戦があった。群馬県代表の前橋育英は帝京大可児(岐阜)に3―2で勝利し、8強入りした。前橋育英は4日午後2時10分、千葉市中央区のフクダ電子アリーナで行われる準々決勝で、前回大会4強の堀越(東京A)と対戦する。
前橋育英は前半6分、MF黒沢佑晟(ゆうせい)選手(3年)からパスを受けたFWオノノジュ慶吏(ケリー)選手(3年)が空いたスペースに走り、右足を振り抜いて先制ゴール。前半8分には、DF牧野奨選手(2年)の左クロスをオノノジュ選手が左足で、立て続けに2点目を決めた。
だが、前半のうちに相手に2点をかえされ、追い付かれる。相手GKがMF平林尊琉(たける)選手(2年)をペナルティーエリア外で倒して一発退場となり、相手選手は10人に。
両者の攻防が続く中、後半36分、オノノジュ選手に代わって入ったFW中村太一選手(3年)がゴールを背にして受けた牧野選手の左クロスを体をターンさせて流し入れ、決勝点となる3点目のゴールを決めた。
ボールを受けてワンタッチで振り向いたり、相手を抜いたりするのがもともと得意だったという中村選手。県大会ではベンチ外だったが、全国大会に来てから終盤に投入されるようになった。
交代前、ベンチから試合を見ていた中村選手は「相手は10人になってもひるんでいなくて、どっちが勝ってもおかしくない試合。PKもよぎった」。そんな中、山田耕介監督(65)からは「とにかく点を決めてこい」と言われた。
「選手権は小さい頃からの夢舞台。一生懸命頑張るしかない」。そう心に決め、途中出場からわずか8分で、チームを勝利に導いた。「自分は今年度、あまり結果を出せていなくて苦しかった。メンバーに入れなかった仲間の分もという思いもあったので本当にうれしかったです」
高崎市出身で、父も兄も前橋育英のサッカー部だった。「父も兄も見ていてくれたはず。ゴール決めたよって、しっかり報告したいです」(中沢絢乃)