◆第103回全国高校サッカー選手権 ▽3回戦 明秀学園日立(茨城)1(PK5―4)1帝京(東京B)(2日・U等々力) 帝京(東京B)は1―1で迎えたPK戦の末に明秀学園日立(茨城)に惜敗。勝てば大会通算勝利数(76年度以降)歴代1位の国見(…

◆第103回全国高校サッカー選手権 ▽3回戦 明秀学園日立(茨城)1(PK5―4)1帝京(東京B)(2日・U等々力)

 帝京(東京B)は1―1で迎えたPK戦の末に明秀学園日立(茨城)に惜敗。勝てば大会通算勝利数(76年度以降)歴代1位の国見(長崎)の68勝に並んでいたが、15大会ぶり出場の今大会は16強で姿を消した。

 相手の5人目のキッカーがPKを成功させると、帝京イレブンは顔を覆ってピッチに崩れ落ちた。15大会ぶりに出場した、戦後最多タイの6度優勝を誇る名門は3回戦で姿を消した。藤倉寛監督(44)は「終わっちゃうんだなと。1回の敗戦で(次が)なくなるはかなさがある」と声を絞り出した。

 後半開始50秒、セットプレーの流れから先制点を許した。それでも、後半9分にFW宮本ら2人の交代をきっかけに、同27分までに5人を投入する積極采配に選手が応えた。同29分、大屋からのパスを宮本が左足でシュート。GKがはじいた球をゴール前でFW土屋が左足で押し込んだ。いずれも途中出場した3人が得点に絡み「この大会を象徴するようなゴール」と、最後まであきらめない“帝京魂”を指揮官はたたえた。

 その後も攻勢に出たが、ゴールは割れず。PK戦で2人目の土屋のキックが止められ、5人全員が決めた相手に屈した。あと1勝で選手権が首都圏開催になった76年度以降で最多の国見に並ぶ68勝目だったが、届かず。堀越とともに東京代表2校の8強入りなら、初めて2校の出場が認められた81年度以降、15年度大会(国学院久我山、駒大高)以来2度目だったが、これもならなかった。

 16強まで進んだのは22大会ぶり。DF田所は「選手権に出るまでは昔、強豪だったというイメージだった。帝京の良さは全国に見せられた。昔ながらの伝統は自分たちの代で取り返せたと思う」と胸を張った。悔しい思いを後輩たちが受け継ぎ、新たな伝統をつくり上げる。(岩原 正幸)