◆ラグビー 全国大学選手権▽準決勝 早大31―19京産大(2日、国立競技場) 2試合が行われ、早大が京産大を31―19で下して決勝に進出した。昨季8強で敗れた相手に雪辱し、5季ぶり優勝に王手をかけた。セットプレーや接点で上回られた昨季の涙を…
◆ラグビー 全国大学選手権▽準決勝 早大31―19京産大(2日、国立競技場)
2試合が行われ、早大が京産大を31―19で下して決勝に進出した。昨季8強で敗れた相手に雪辱し、5季ぶり優勝に王手をかけた。セットプレーや接点で上回られた昨季の涙を糧に、フィジカルアップとスクラム対策で完勝。決勝(13日、秩父宮)ではこの日、明大を34―26で退けた3連覇中の王者・帝京大と対戦する。
自分たちの手で、失った誇りを取り戻した。早大は、昨季準々決勝で28―65と大敗した京産大を下して5季ぶりの優勝に王手。この日掲げたテーマは「リゲイン・プライド」。フッカー佐藤健次主将は「(意味は)プライドを取り戻す。心のどこかで、京産にやり返したい思いがあった。勝てたことはめちゃくちゃうれしい」。31―19のスコア以上の完勝で、王者への挑戦権を得た。
FW戦で主導権を握った。前半6分のマイボールスクラムから3連続で反則を誘発。5―0の同13分は、相手ボールスクラムで反則を奪い、その後のCTB福島秀法の追加点につなげた。守っても同17分に10次攻撃、31分は自陣での9次攻撃を耐えてターンオーバーに成功。「フィジカルバトルは負けなかった。そこは大きかった」と佐藤。65分間、相手スコアボードに「0」を刻み試合を支配した。
計8トライを奪われた前回大会は「フィジカルバトルで負けた」。選手権前、トレーニング場にはチームで号泣する写真が何枚も貼られた。「ウェートでこの時を思い出して、もっと頑張ろうと」。スクラムで3番が前に出てくるという京産大の独特な組み方も、メンバー外の選手がコピーして徹底対策。スクラムのカギを握るフッカーは「去年はイーブンに持っていこうという気持ちに入ったけど、今年は『全部ドミネート(支配)しよう』となった。自信を持っていけた」と胸を張った。
史上最多を更新する17度目の栄冠に王手。この1年、優勝した時のみ歌える第2部歌「荒ぶる」だけをみてきた。相手は3連覇中の帝京大。昨年11月の対抗戦では48―17で完勝したが、挑戦者に変わりはない。「優勝以外は一緒。最後、見たことのない景色を見にいけたら。自信はある。みんなで優勝できるマインドでいけば、絶対に勝てる」と主将。聖地・秩父宮で“荒ぶる”準備はできている。(大谷 翔太)