◇第101回東京箱根間往復大学駅伝競走往路(2日、東京・千代田区大手町読売新聞社前スタート~神奈川・箱根町芦ノ湖ゴール=5区間107・5キロ) 順大OBで、男子3000メートル障害で21年東京、24年パリと五輪2大会連続入賞を果たした三浦龍…

◇第101回東京箱根間往復大学駅伝競走往路(2日、東京・千代田区大手町読売新聞社前スタート~神奈川・箱根町芦ノ湖ゴール=5区間107・5キロ)

 順大OBで、男子3000メートル障害で21年東京、24年パリと五輪2大会連続入賞を果たした三浦龍司(22)=現・スバル=がスポーツ報知に観戦記を寄せた。洛南高(京都)時代の後輩で、5区区間新の力走で青学大を往路優勝に導いた若林宏樹(4年)を絶賛。1区で中大が独走、2区で一挙3人が区間記録を出した往路を総括し、13位につけた母校のシード権獲得を熱望した。

 青学大は強いチームの層の厚さが出た。一人一人が安定した走りができて経験もある。本当に隙がない。首位を譲ったとしても、どこかで戻ってくると思わせる。各区間、しっかり適材適所における選手がいて、巻き返す強さがあった。

 特に5区の若林。洛南の後輩で、上り坂は人一倍強かったけど、さらに磨きがかかった。無駄に跳ねず、上半身と下半身をうまく使って推進力を前に持って行ける独特な走り方は山に向いている。競技力は格段にレベルアップしている。高校時代はお互い県外出身で、一緒に寮で生活した。入部して最初のあいさつですごく滑舌が悪かったのを覚えている(笑)。当時は本当にシャイだったけど、今は全然違う。頼もしい走りでした。

 風や気温は穏やか。各選手は気象条件を気にせず走れたと思う。1区は走ったことがあるけど、中大の吉居選手は抜け出した勇気がすごい。中途半端に行くと自分の首を絞めてしまうけど、後続が離れてくれたから自信を持って行けたと思う。

 2区で3人の区間新は、すごすぎて何も言えない。後半に2回ある上りのポイントで1段、2段とギアを上げられるのは、準備ができたからこそだと思う。

 復路は青学大を先頭に、追いかける駒大、国学院大と選手層はある。その流れに乗る大学がいたり、思いもよらない展開もあると思う。母校の順大は往路13位と出遅れたけど、4区の堀越ら希望の見える走りができた。11位以降は混戦。引かずに食らいついて、シード権を獲得してほしい。

 僕はレース前日(1日)に初のニューイヤー駅伝で1区を走り、(トップと2秒差の)区間3位。飛び出す展開はプラン通りで、感触良く走れた。今年、一番照準を合わせなきゃいけないのは9月の世界陸上。足作りを固めて、3000メートル障害の良い感触をつかみ、タイム的に成長できる1年にしたい。

 大学生は着実に国内のレベルが高まっている。新しい土俵で、世界の舞台で自分が戦えるんだと示すためにも大学生のうちに積極的にチャレンジしてほしい。(マラソンの有力候補)国学院大の平林選手や、(トラック種目で代表を狙う)駒大の佐藤選手。種目は違うけど、世界陸上で日本選手団として一緒に盛り上げたい。

 ◆三浦 龍司(みうら・りゅうじ)2002年2月11日、島根・浜田市生まれ。22歳。陸上は小学1年から。京都・洛南高卒。順大で箱根駅伝に4年連続出場。1年時から1区10位、2区11位、2区12位、1区10位。3000メートル障害は21年の日本選手権で初優勝。同年東京五輪予選は8分9秒92の日本新、決勝は同種目で日本人初の7位入賞。24年パリ五輪は8位入賞。自己ベストは5000メートル13分26秒78。168センチ、56キロ。