◆第103回全国高校サッカー選手権▽3回戦 流通経大柏2―1大津(2日・フクダ電子アリーナ) 4大会連続21度目の出場の大津(熊本)と、3大会ぶり8度目の出場の流通経大柏(千葉)が対戦し、流通経大柏が2―1で勝利した。 高校年代最高峰の高円…

◆第103回全国高校サッカー選手権▽3回戦 流通経大柏2―1大津(2日・フクダ電子アリーナ)

 4大会連続21度目の出場の大津(熊本)と、3大会ぶり8度目の出場の流通経大柏(千葉)が対戦し、流通経大柏が2―1で勝利した。

 高校年代最高峰の高円宮杯U―18プレミアリーグに属する強豪同士の対決となった一戦は、前半36分にロングボールに抜け出した流通経大柏FW山野春太(3年)が右足で豪快な先制ゴールを決めると、高円宮杯U―18プレミアリーグファイナルを制して王者となった“高校年代NO1”の大津は、後半14分にセットプレーの流れから主将のDF五嶋夏生(3年)が右足シュートを決めて同点に追いついた。

 球際の攻防などが激しさを増す中、後半28分に流通経大柏のFW粕谷悠(3年)が、ネットを揺らして勝ち越し。大津は最後のセットプレーでGKまでゴール前まで攻め込むなど1点を奪いにきたが、流通経大柏がゴールを死守して、6大会ぶりの8強を決めた。

 試合後、流通経大柏の榎本雅大監督は、興奮した様子を隠すことなく、高ぶる思いを言葉にした。

 「すごい試合。高校サッカー最高です。気持ちいい。お互い意識していて、選手たちもどうしてもやりたいと言っていた。決勝戦じゃなく、3回戦でまだ先があるんですけど、彼らもいい顔をしていたし、そういう部分では本当に感動しましたね」

 ハイレベルな戦いだったことはもちろんだが、その一戦を見届けようとプロ並みの1万1万4235人が来場したことも試合のボルテージを高めたことは間違いない。高校年代ではなかなか体感できないステージで、選手たちが示した魂のこもったプレーの連続。だからこそ、榎本監督の心は揺さぶられた。

 「お客さんも入って、メディアもすごい中、皆さんに協力してもらって、すごい大会が盛り上がる中で戦わなければいけないというのは、すごい怖いと思うんですよね。今も試合終わった後に(選手と)ハグした時に『怖かった』と(笑い)。でも、こうやって日本のサッカーは作られていくと思うし、こうやって成長していくと思う。本当に冒頭に言った、高校サッカー最高だ、というのは、こういう舞台ってないじゃないですか、世界に。だから、すごいなと。これでより彼らはサッカーを好きになるし、より人間としても成長出来るし、よりまた難しい相手に立ち向かっていけるし、そういうところが素晴らしいところですね」

 見ていた誰もが認める大会屈指の好カード。試合が終わった後にスタンドから注がれた大きく、温かい拍手がその証明だった。