大相撲初場所(12日初日、東京・両国国技館)へ向けて、大関・大の里(二所ノ関)が2日、茨城・阿見町の部屋で今年の最初の稽古を行った。相撲は取らず、すり足やてっぽうなどの基礎運動を中心に行い、最後に幕下以下の力士に胸を出した。充実した表情で…

 大相撲初場所(12日初日、東京・両国国技館)へ向けて、大関・大の里(二所ノ関)が2日、茨城・阿見町の部屋で今年の最初の稽古を行った。相撲は取らず、すり足やてっぽうなどの基礎運動を中心に行い、最後に幕下以下の力士に胸を出した。充実した表情で「基礎、基本にたくさん時間を使った。下半身をしっかり使って稽古しよう」と意図を明かした。

 1日で地元・石川の能登半島地震からちょうど1年になった。昨年はテレビを見ただけでは状況を把握しきれなかったが、両親から連絡で被害の深刻さを知らされたという。祖父が住んでいた石川・内灘町の家は液状化で、引っ越しを余儀なくされた。

 昨年2月に祖父の避難所など被災地を幕内・遠藤(追手風)らと訪問。「大変な状況が続いてると実感した」。一方で、昨年は地元ファンから応援をもらったことは励みになった。「昨年は石川のことを思いながら1年間頑張ってきた。暗いニュースだったので自分の相撲で明るくなればと思い取り組んできた」と振り返った。稽古が休みだった1日も石川の被災者を追悼する映像が自然と目に入った。「自分の相撲で少しでも元気になってほしい」と故郷のためにも活躍を誓った。

 昨年は新入幕の初場所から2度の優勝を果たし、大関に昇進した。ただ九州場所は優勝争いに絡めず9勝。「昨年は成績がいいときと悪いときで“ジグザグ”だった。今年は振り幅を少なくして、安定した成績を残したい」と抱負。まずは横綱審議委員会による稽古総見(6日)に向け、部屋で稽古するつもりだ。