101回目を迎える伝統の箱根駅伝の新しい見どころが「初代MVP」だ。2004年の第80回記念大会から最も活躍した選手に対し「金栗四三杯」が贈られているが、これとは別に優勝チームの選手を対象にした「最優秀選手賞(MVP)」が新設される。 1…

 101回目を迎える伝統の箱根駅伝の新しい見どころが「初代MVP」だ。2004年の第80回記念大会から最も活躍した選手に対し「金栗四三杯」が贈られているが、これとは別に優勝チームの選手を対象にした「最優秀選手賞(MVP)」が新設される。

 1920年の第1回大会創設に尽力した金栗四三氏の名を冠した金栗四三杯は、04年から24年までの21大会で延べ23人が受賞(07、22年は2人)。そのうち優勝校からの選出は11人。駅伝において最も価値があるチーム優勝に貢献した選手をたたえる賞も必要という声が高まり、MVPの新設が決まった。金栗四三杯と同格のカップが贈呈される。MVPと金栗四三杯とのダブル受賞も認められている。

 今大会は国学院大、駒大、青学大の3強を中心に激しい優勝争いが繰り広げられることは必至だ。

 前哨戦の出雲駅伝(10月)、全日本大学駅伝(11月)は、いずれも国学院大が優勝、駒大が2位、青学大が3位。さらに上位6校まで順番は同じ(出雲5位の米国アイビーリーグ選抜を除く)で、創価大、早大、城西大と続いたが、3強と4番手以降には差がある。逆に3強には実力差は、ほぼない。「結局はエースがエースの仕事をしたチームが優勝します」と国学院大・前田監督は話す。

 順当に3強の中から王者が誕生するとすれば、連覇を狙う青学大では2区出走が確実な黒田朝日(3年)、3区登録の鶴川正也(4年)、4区出陣が見込まれる太田蒼生(4年)が候補に挙がる。今季2冠の国学院大では2区登録の平林清澄(4年)、3区登録の山本歩夢(4年)が有力。2年ぶりの優勝を目指す駒大は2区登録の篠原倖太朗(4年)、5区を走ることが濃厚な山川拓馬(3年)が候補。出雲、全日本を故障で欠場した佐藤圭汰(3年)も可能性を残す。

 大混戦となり、復路で優勝を決定づける走りをする選手が現れれば“伏兵”が初代MVPの栄誉を手にすることもあるだろう。

 3強をまとめて倒すチームが現れた場合、つまり、歴史に残る大活躍した選手が誕生したということになる。創価大の吉田響(4年)、城西大の斎藤将也(3年)、早大の山口智規(3年)、中大の吉居駿恭(3年)らが、その候補に挙がる。(竹内 達朗)