2026年の北中米W杯まで1年半と迫ってきている。サッカー日本代表はアジア最終予選で圧倒的な強さを見せて、初出場の98年フランスW杯から8大会連続で突破にリーチをかけている。少し気は早いが、森保一監督が世界一を目標に掲げる本大会のメンバー…
2026年の北中米W杯まで1年半と迫ってきている。サッカー日本代表はアジア最終予選で圧倒的な強さを見せて、初出場の98年フランスW杯から8大会連続で突破にリーチをかけている。少し気は早いが、森保一監督が世界一を目標に掲げる本大会のメンバー選考を展望してみたい。
前回のカタールW杯はコロナ禍も考慮されて、登録可能なメンバーが従来の23人から26人に変更された。北中米大会でどうなるか不明だが、仮に26人ということで話を進めていく。最終的に影響してくるのはコンディションであり、怪我などで本大会にベストメンバーを組めない可能性も大いになるが、そこに関しては現時点で知りようがないので、アクシデントがないものと仮定して進めたい。
GKは鈴木彩艶(パルマ)が最有力候補で、順当ならこのまま本大会でもゴールマウスを守ることになるか。二枠目はJリーグのベストイレブンにも選ばれた大迫敬介(サンフレッチェ広島)が有力。もう一人は当然、谷晃生(FC町田ゼルビア)やJ1王者の守護神である前川黛也(ヴィッセル神戸)も候補だが、パリ五輪で守護神を担った小久保玲央ブライアン(シント=トロイデン)の食い込みが期待される。
そのほか、野澤大志ブランドン(FC東京)なども、今後のアピール次第で可能性はあるだろう。カタール組のシュミット・ダニエル(ヘント)なども、常に試合に出られる環境に身を置くことができれば、再浮上の芽は残されている。
■チェイス・アンリと高井幸大の台頭に期待
DFは最終予選の全試合にスタメン出場している板倉滉(ボルシアMG)と町田浩樹(サンジロワーズ)は順当。欧州有数のビッグクラブに所属する冨安健洋(アーセナル)と伊藤洋輝(バイエルン・ミュンヘン)の二人は実力と実績で見れば順当でも良いが、怪我で外れて時間が経っていることもあり、復帰後のパフォーマンスを見極めたい。
本来ここに谷口彰悟(シント=トロイデン)を加えたいが、アキレス腱の負傷で長期離脱中となっており、今後の回復でどうなるか不透明だ。もちろん完全復活を願いつつ、この機会に高井幸大(川崎フロンターレ)はもちろん、チェイス・アンリ(シュトゥットガルト)のような若手の台頭に期待したい。
瀬古歩夢(グラスホッパー)や招集経験のある渡辺剛(ヘント)、藤井陽也(コルトレイク)も候補だが、サプライズ枠としては今年のアジアカップでトレーニングパートナーも経験した、U−19日本代表のキャプテンである市原吏音(大宮アルディージャ)の名前をあげたい。
全体の構成を考えると、センターバックが本職の選手は6人程度と見る。もう一人は3バックに加えて、オプションとして4バックを選択した時に右サイドバックをこなせる選手が対象になりそうだ。現時点では菅原由勢(サウサンプトン)が筆頭で、橋岡大樹(ルートン・タウン)が続く存在だ。ただ、やはり伸びしろを考えると関根大輝(柏レイソル)がさらに成長して、森保監督の評価を高めてくるとチームに勢いが出る。
■E-1での抜擢にも期待
一番難しいのは5度目のW杯を目指す長友佑都(FC東京)の取捨になるが、チームに対する影響力の大きさは大前提で、本大会となると戦力としての評価がカギになるだろう。
またMFの話にも関わってくるところではあるが、アジアでの戦いが続く現在と違い、いざ世界が相手となった時に、サイドバックを本職とする選手たちの復権は考えられる。そうなると関根、菅原、橋岡あたりにはチャンスが増えることになるが、毎熊晟矢(AZ)の復帰も期待できる。
来年、Eー1選手権があることでチャンスが到来するであろう国内組では望月ヘンリー海輝(FC町田ゼルビア)に加えて中野就斗(サンフレッチェ広島)あたりがチャンスを掴むことになるか。
(取材・文/河治良幸)
(後編へつづく)