ドジャース大谷翔平投手(30)が、移籍2年目の25年、二刀流の新境地を開拓する。3月18日から東京ドームで開催されるカブスとの開幕シリーズには打者で出場予定。昨年11月5日に手術した左肩の影響で二刀流復帰は先送りの見込みだが、2度の右肘手術…
ドジャース大谷翔平投手(30)が、移籍2年目の25年、二刀流の新境地を開拓する。3月18日から東京ドームで開催されるカブスとの開幕シリーズには打者で出場予定。昨年11月5日に手術した左肩の影響で二刀流復帰は先送りの見込みだが、2度の右肘手術からの完全復活が期待される。まずはチームとして、今世紀初となるワールドシリーズ連覇が目標。30代でプレーヤーとしてピークを迎えながら、無限に広がる可能性を探り、大谷自身でも想像がつかない未知の世界に飛び込む。
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大谷の壮大な夢の続きが、母国で始まる。3月18日から東京ドームで開催される開幕シリーズ。カブス鈴木と今永、同僚の山本ら日本人4選手の激突で幕を開ける25年シーズンを、まずは打者で迎える。「連覇したいというのが一番」。今世紀、ワールドシリーズ連覇を達成した球団はない。「かなり回数が限られてくるので、それだけ特別な難易度だと思っていますし、そこが一番やりたいこと」と、新たな野望を抱いた。
悲願の世界一を達成しても、歩みは止めない。向上心は尽きないが、考え方に変化が出始めた。「“足るを知る”ではないですけど、自分の持っているものとか、お世話になっている周りの環境とか、やればやるほど、毎年、重ねれば重ねるほど、そっちのあり難みの方が増えてくる」。思い描いた目標を達成し、振り返ることで、身に染みて感じられることもある。「そこのバランスが一番大事」と冷静に今後を見据えた。
二刀流で再び復活を目指し、長期的な継続を思い描く。一方で「野球選手としてのピークを迎える、または今もその中にいると思っているので。まずどれだけ維持できるのか、向上していけるのか。それと同時にパフォーマンスが低下してくる先というのもちゃんと見据えながら、取り組まないといけないことは、たくさんあると思う」と、向き合うべきこともある。絶頂期を経て、いつかは衰退期が訪れる。「そういう、考えたくないところも考えなければいけない年にはなってきているので、そこを見据えながら、やる必要は今までとは違う」。超人的な大谷といえど、避けられない壁。新たな境地へと、足を踏み入れることになる。
ドジャースだけでなく、来年のWBCでは侍ジャパンの一員として、ともに連覇を目指す。28年にロサンゼルスで開催される夏季五輪にも出場意欲を示している。注目度の高い二刀流として、野球国際化における責任も期待されるが「現役のときに一番やるべきことは、グラウンドの中で自分のパフォーマンスがどれだけ高いレベルで発揮できるかどうか。根本的なところは大事にしながら、まずはグラウンドの中で集中するのが一番」。挑戦が続く野球人生。あらゆる可能性を踏まえ、全力を尽くし、道なき道を進む。【斎藤庸裕】
○…大谷は12月28日(日本時間同29日)、自身のインスタグラムで真美子夫人が第1子を妊娠したことを明かした。愛犬デコピンとピンク色のベビー服に小さな靴、エコー画像とみられる写真を掲載し、英語で「僕たち家族に間もなく小さなルーキーが加わることを、待ちきれません」と心境を寄せた。二刀流復活に子どもの誕生と、25年も大谷にとって忘れられない1年になること間違いなしだ。