世界最高峰のバレーボールを目指す「大同生命SVリーグ」の人気をけん引する、サントリーのアウトサイドヒッター・高橋藍(23)。日本代表でも中心的役割を担い、25年は年男として飛躍を狙う。発足3カ月の新リーグに対する思いや今年の抱負、将来展望…
世界最高峰のバレーボールを目指す「大同生命SVリーグ」の人気をけん引する、サントリーのアウトサイドヒッター・高橋藍(23)。日本代表でも中心的役割を担い、25年は年男として飛躍を狙う。発足3カ月の新リーグに対する思いや今年の抱負、将来展望、結婚観、そして野球ファンをバレーファンに取り込もうという“野望”など、本音をデイリースポーツにたっぷり語った。
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デイリースポーツ読者の皆さん、明けましておめでとうございます。サントリーの高橋藍です。
昨年はパリ五輪やSVリーグ、天皇杯でのご声援ありがとうございました。4日からホームに東レ静岡を迎え、新年のリーグ戦が始まります。今年の目標はリーグ優勝に貢献すること。チームは昨年のVリーグに続く連覇を目指しますが、僕は今シーズンから加入したので、SVリーグ初代王者になりたい。そして、また日本代表に選ばれるようスキルを磨きたいです。
僕がイタリアから帰国してSVリーグを選んだのは、世界最高レベルのリーグになると確信したから。実際にプレーして、想像以上に難しさを感じています。開幕前は、もっと簡単にボールが決まるとか、スパイクも決めやすいんじゃないかとイメージしていました。
でもイタリアのリーグに比べてディフェンスがすごくいい。高さやパワーはイタリアのレベルが高く感じますが、ブロックとレシーブの関係性、サーブやスパイクのクオリティーなどは、またレベルが違う。僕のスパイクも簡単には決まらないことが多い。だからこそ、また違うスキルが磨かれていくと感じています。
2027-28年には外国人枠がさらに1人増えます。日本選手の出場機会が減る危機感もありますが、そこで戦う力をつければ日本のレベルアップにつながる。僕が昨季までセリエAに挑んだように、外国人選手の中でもまれることで日本選手のレベルは上がると思います。外国人枠が増えれば、日本選手が海外のリーグに行かなくても世界レベルで技を磨ける。そういう意味で楽しみです。
目標は、五輪でメダルを獲得することが第一。さらに、今までにないバレーボーラーになることも目指しています。バレー以外にSNSやテレビ番組などいろんなことに挑戦していますが、それはバレーを夢のあるスポーツにしたいから。より多くの子どもたちがバレーをやりたいと思ってくれるように。それも一つの目標です。
結婚はしたいです。できるならすぐしたい!(笑)でも、さすがにこれは簡単にはいかない。僕の夢として、バレーをしている姿を自分の子供に見せたいので、それが実現すればいいな。理想は両親のような家庭です。すごく愛情を注いでもらった。でも、何でもかんでもわがままを聞いてもらっていたわけでないので、時に厳しさというか、そういう価値観も大事にしていきたいです。
デイリースポーツの読者の方には野球ファンが多いと聞きます。僕も野球は見るのもやるのも好き。父が野球をやっていたので兄が塁(るい)、僕は藍(らん)と名付けてもらいました。塁の影響でバレーを始めたのですが、バレーに出合わなかったら野球をやっていたんじゃないかな。
子供の頃もテレビで見たし23年のWBCもイタリアで中継を見て応援しました。野球ファンの方にもぜひバレーを見に来てほしいです。野球とはまた違う迫力、面白さがあると思う。あの熱い野球の応援を、バレーの会場で展開してくれるとうれしいな。今年も頑張りますので応援お願いいたします。
◆高橋藍(たかはし・らん)2001年9月2日、京都市出身。京都・東山高3年時に春高バレー優勝。20年2月に日本代表に初選出された。同年、日体大に進学。21年東京五輪代表。同年11月にイタリア1部リーグのパドバと契約した。23-24年シーズンはモンツァでリーグ準優勝。ポジションはアウトサイドヒッター。188センチ、83キロ。2歳上の兄・塁もサントリー所属。