今季7年ぶりの優勝を目指す広島。野手では矢野雅哉内野手(26)と坂倉将吾捕手(26)への期待は昨季以上に大きい。矢野は攻守で総合的なレベルアップを図り、坂倉は捕手としての全試合出場を目標に掲げる。投手では大瀬良、床田、森下の3本柱に次ぐ存…

 今季7年ぶりの優勝を目指す広島。野手では矢野雅哉内野手(26)と坂倉将吾捕手(26)への期待は昨季以上に大きい。矢野は攻守で総合的なレベルアップを図り、坂倉は捕手としての全試合出場を目標に掲げる。投手では大瀬良、床田、森下の3本柱に次ぐ存在として玉村昇悟投手(23)の一本立ちに期待。投打のキーマン3選手にスポットを当てた。

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 先発投手陣では、高卒6年目の玉村に躍進の気配が漂っている。昨季は15試合に登板して4勝5敗。開幕ローテ入りこそ逃したが、5月末から安定した投球を見せた。7月30日・DeNA戦でプロ初の完投勝利。続く8月12日の同戦でも9回を投げ切って2試合連続の完投勝利を挙げた。

 試合終了の瞬間までマウンドに立った経験を振り返り「完投したのは自分の中ですごく大きい。目標がより一層、高くなった」と、うなずく。長らく先発ローテをけん引してきた九里が今季からオリックスに移籍。大瀬良、森下、床田に次ぐ“4人目の男”としてチームの期待も大きい。

 昨秋キャンプでは新たな取り組みとしてカットボールの習得に励んだ。「きれいな縦回転ではない真っすぐを投げようと。(打者が)直球を待っているか、ゴロを打たせたい時に芯を外す感じ。回転がきれいじゃなければいい」と投球にアクセントを加える。「チームの核として戦いたい」と自覚を強める左腕が、昨季以上にたくましくなった姿を示していく。

 ◆玉村昇悟(たまむら・しょうご)2001年4月16日生まれ、23歳。福井県出身。179センチ、85キロ。左投げ左打ち。投手。丹生から19年度ドラフト6位で広島入団。21年4月29日・DeNA戦(マツダ)でプロ初登板初先発(敗戦)。24年は2試合連続完投勝利を飾るなど15試合で4勝5敗、防御率2・96。