今季7年ぶりの優勝を目指す広島。野手では矢野雅哉内野手(26)と坂倉将吾捕手(26)への期待は昨季以上に大きい。矢野は攻守で総合的なレベルアップを図り、坂倉は捕手としての全試合出場を目標に掲げる。投手では大瀬良、床田、森下の3本柱に次ぐ存…

 今季7年ぶりの優勝を目指す広島。野手では矢野雅哉内野手(26)と坂倉将吾捕手(26)への期待は昨季以上に大きい。矢野は攻守で総合的なレベルアップを図り、坂倉は捕手としての全試合出場を目標に掲げる。投手では大瀬良、床田、森下の3本柱に次ぐ存在として玉村昇悟投手(23)の一本立ちに期待。投打のキーマン3選手にスポットを当てた。

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 悔しさが坂倉を強くする。昨年、巨人のリーグ優勝とプレミア12で台湾の大会制覇を目の前で見届けた。苦い思い出を糧とするために-。9年目を迎える鯉の扇の要は「より一層責任感を持ってやっていきたい」と表情を引き締める。

 プレミア12では主力として世界を肌で感じた。正捕手として7試合に出場。打率・444のハイアベレージを残して準優勝に貢献し、「自信と課題が見つかった」。打撃面で自らのスイングスピードや打球速度の足りなさを実感して、現在はフィジカル面の強化にも取り組んでいる。

 昨季の前半戦は打率・203で大苦戦した。それでも新井監督は「逃がさないぞ」という強い決意の下、坂倉をスタメンで起用し続けた。「僕が(試合に)出ることによって出られない選手がでてくる。その責任を感じた」と坂倉。後半戦は復調して打率も・279まで上げてシーズンを終え、今後につながる経験を得た。

 今季の正捕手争いは昨年同様、石原、会沢らとの競争になるとみられるが、実績面で坂倉がリードしているのは確か。11月末には右肘関節手術を受けたものの、今季の目標には全試合スタメンマスクを掲げ、開幕に照準を合わせている。チームは得点力アップが喫緊の課題。坂倉の打撃の状態がカープの浮沈の鍵を握っていると言っても過言ではない。

 ◆坂倉将吾(さかくら・しょうご)1998年5月29日生まれ、26歳。千葉県出身。177センチ、89キロ。右投げ左打ち。捕手。日大三から16年度ドラフト4位で広島入団。プロ初出場は17年9月23日・巨人戦。24年は121試合で打率・279、12本塁打、44打点。21年から4年連続2桁本塁打。24年プレミア12日本代表。