<101回目のプロローグ(最終回)> 連載「101回目のプロローグ」最終回は海外から見た箱根駅伝がテーマです。海外の市民ランナーたちの間でも、箱根駅伝の存在が少しずつ知られ始めている。彼らはどうやって知るのか。箱根駅伝が海外で浸透していく可…

<101回目のプロローグ(最終回)>

連載「101回目のプロローグ」最終回は海外から見た箱根駅伝がテーマです。

海外の市民ランナーたちの間でも、箱根駅伝の存在が少しずつ知られ始めている。彼らはどうやって知るのか。箱根駅伝が海外で浸透していく可能性はあるのか。日本と英国の血を引き、フルマラソン3時間切りの“サブ3”を3回達成しているタレントのハリー杉山(39)に実情を聞いた。

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ハリーは海外での駅伝認知度を「日本以外でやっているイメージはゼロ」とした。箱根駅伝も同様の認識も「状況は変わろうとしている。英国のランナーたちには急に浸透し始めているような気がします」と変化を感じている。きっかけは「情報収集としてインスタグラムは宝庫。箱根駅伝という存在が世界中のランナー系のアカウントで拡散されるようになっているからでは」と分析する。

英国の市民ランナーが日本の学生はなぜ強いのか分析する動画もある。自ら上尾ハーフマラソンに出場した際の映像をYouTubeで流しながら、日本人大学生のフォーム、ピッチ、体形などを独自分析。「有名な人でもなんでもないのに、7万回再生されている。日本の走る文化に興味を持つ人は結構多い」。大学3大駅伝を紹介する海外インスタも存在する。箱根駅伝へのコメントは「プロじゃないの!?」とレベルの高さに驚く声も少なくない。

商品やイベントからも、海外での箱根駅伝への興味を感じさせる。ナイキ社は10年以上、駅伝シーズンにシューズやウエアのコレクション「EKIDEN PACK」を国内外で毎年発売。「海外でも欲しいというマニアやランナーたちがいる」。箱根駅伝100周年にちなみ、24年6月に英国では駅伝大会「UK EKIDEN」が行われた。

訪日観光客の増加も関係があるとみている。「箱根という歴史的な街を通して駅伝を知る方も、かなり増えているような印象を受けたりしますね」。

箱根駅伝のどんな魅力をアピールすれば世界に広まる可能性があるのか。「ヒューマンな部分です。選手それぞれのストーリーがある。夢見る世界の先に見える世界がテーマで、それが見えてくるとフックが強い。どの国の人たちもリアリティーショーが好き。箱根は究極のリアリティーショーだと思う」。海外へのPR策として「1年だけでもゲスト枠として海外チームが入るのも面白い」と提案。「英語版ドキュメンタリーをBBCなど海外で特集してほしい。僕はそのナレーションをやりたいです」と話した。【近藤由美子】

◆ハリー杉山(すぎやま)1985年(昭60)1月20日、東京都生まれ。母親は日本人で、英国人の父親はニューヨーク・タイムズ東アジア支局長などを務めた有名ジャーナリスト。11歳まで日本で暮らし、その後英国に移住。18歳から日本で芸能活動開始。自己ベストは23年つくばマラソンの2時間56分41秒。NHKBS「ランスマ倶楽部」(隔週金曜午後11時半)レギュラー。英プレミアリーグ・アーセナルの熱狂的ファン。184センチ、血液型A。

<箱根駅伝テレビ放送>

◆往路(2日)

▼地上波 日テレ系(午前7時00分)解説・瀬古利彦、渡辺康幸

▼ラジオ 文化放送(午前7時30分)大志田秀次、柏原竜二

ラジオ日本(午前7時30分)只隈伸也、山本唯翔

NHK第1(午前7時40分)金哲彦、尾方剛

◆復路(3日)

▼地上波 日テレ系(午前7時00分)解説・大後栄治、渡辺康幸

▼ラジオ 文化放送(午前7時30分)大志田秀次、柏原竜二

ラジオ日本(午前7時30分)只隈伸也、志貴勇斗

NHK第1(午前7時40分)金哲彦、尾方剛

※放送時間は地域ごとに異なります