「全国高校サッカー選手権・2回戦、日章学園1-2矢板中央」(31日、フクダ電子アリーナ) 16試合が行われ、イングランド・プレミアリーグのサウサンプトンへの加入が内定している日章学園(宮崎)のU-19日本代表FW高岡伶颯(れんと)=3年=…

 「全国高校サッカー選手権・2回戦、日章学園1-2矢板中央」(31日、フクダ電子アリーナ)

 16試合が行われ、イングランド・プレミアリーグのサウサンプトンへの加入が内定している日章学園(宮崎)のU-19日本代表FW高岡伶颯(れんと)=3年=は、ハットトリックを決めた西目(秋田)との初戦に続いてゴールしたものの、矢板中央(栃木)に1-2で競り負けた。前回王者の青森山田は高川学園(山口)に1-2で屈した。初優勝を狙う大津(熊本)は札幌大谷(北海道)を2-1で下し、帝京(東京B)は金沢学院大付(石川)に5-0で大勝した。

 試合終了の笛が鳴った瞬間、高岡は現実を受け止めるように淡々とした表情でピッチを見つめた。「自分の実力不足を素直に認めていました」。スタンドの応援団を前にすると、こらえきれない感情があふれ出した。2戦4発と、強烈なインパクトを残したU-19日本代表FWの世代No.1ストライカーが2回戦で姿を消した。

 18本のシュートを浴びせながら、堅守が持ち味の“矢板の壁”を破り切れなかった。高岡は相手の主将DF佐藤快風(3年)を中心とした徹底マークに遭い、いい形でなかなかボールを奪うことができず。「高校年代でこんなに徹底しているチームはない。すごくいいチームでした」と敗戦を認めた。

 それでもエースは自ら突破口を開き、意地を見せた。0-1の前半25分、ピッチ中央付近から狙い澄ましたプレスバックでボールを奪うと、味方との連係で左サイドに展開。そのまま猛然とゴール前まで走ると、左からのクロスに滑り込みながら右足を合わせて同点ゴールを決めた。前半だけでハットトリックを達成した1回戦から2戦連発。イングランド・プレミアリーグ、サウサンプトン入団が内定している“怪物”の実力を証明した。

 目標に掲げた大会20得点、そして日本一への道半ばで夢は途絶えたが「全然後悔はなくて、次のステージにスムーズにいけるかなと思う」と引きずらない。次の舞台は宮崎から遠く離れたイングランド。世界に飛び立つ17歳は「自分の泥くささ、野心は絶対忘れずに。最後は自分が決めて勝つという意思を持ちたい」と、早くも闘志を燃やしていた。

 ◆高岡伶颯(たかおか・れんと)2007年3月12日、宮崎県三股町出身。三股サッカースポーツ少年団で本格的に始め、三股中から日章学園に進学。U-17日本代表として臨んだ昨年11月のU-17W杯では、3戦連発の4得点を挙げて16強入りに貢献。今年5月にはJ3テゲバジャーロ宮崎の特別指定選手となった。166センチ、61キロ。憧れの選手は元イングランド代表FWマイケル・オーウェン。