<全国高校サッカー選手権:帝京5-0金沢学院大付>◇31日◇2回戦◇U等々力初出場の金沢学院大付(石川)が、名門・帝京(東京)の前に力尽きた。5失点こそしたが、シュート7本を放つなど好機をつくり、帝京ゴールを脅かした。2024年元日に能登半…

<全国高校サッカー選手権:帝京5-0金沢学院大付>◇31日◇2回戦◇U等々力

初出場の金沢学院大付(石川)が、名門・帝京(東京)の前に力尽きた。

5失点こそしたが、シュート7本を放つなど好機をつくり、帝京ゴールを脅かした。

2024年元日に能登半島地震が起きた。あれから365日。被災地の代表校として、苦難の1年の最後の日にあきらめない姿勢を見せた。

左サイドバックの油野瑛斗(3年)は能登半島のかほく市出身。フル出場し、最後まで体を張り、懸命に戦った。「石川県のために」と全力を振り絞り、あきらめない姿を見せた。

「能登の方々に勇気を与えられるように頑張ったんですけど、こういう大敗をして申し訳ない気持ちがある。僕たち選手たちは県外出身とか県内出身とか関係なく、石川県のためにみんなが最後まで走って戦った。そこは胸を張りたい」と気丈に話した。

かほく市長の祖父もスタンドから見守っていた。

「1回戦も見に来てくれて、その時は本当に楽しかったよ、ありがとうって言ってくれたんで。やっぱり勝ちたかった。じいちゃんが見に来るってあんまりなかったので、実際に僕が中でサッカーをしているのを見てくれて、本当に感謝しているし、うれしかったです」

祖父の自宅も一部損壊した。ただそれ以上に、かほく市でも他の地域では家が崩壊したところもあり、被災の深刻さは誰よりも知っている。さまざまな思いを背負っての晴れ舞台、だから誰よりも懸命に戦った。

「選手権ってやっぱり高校に入ってから夢見てきた舞台なので、本当に楽しかったし、この舞台に立てたことに本当に感謝しています。後輩たちには来年、もっと上を目指して、この舞台にまた立てるように頑張ってもらいたい」

そう話す表情には、悔しさよりも、やり切ったという思いが色濃く出ていた。